第351話 ファンシーな5階


跳ねてるくせに割れやすい飴玉という誰得かわからないモンスターとの戦闘はすぐに終わった。


一応、捕まえられた飴玉はポフンって感じに消えて、ドロップ品を残したけど、討伐したぶんは魔石しか残さなかった。


因みに、ポッピンキャンディーのドロップ品は飴玉である。種類は様々で、舐めてる間少しずつ回復していくリジェネ飴もあれば、普通に美味しいだけの飴もある。


「うにゃぁ」


ポッピンは弱かった。


「キュー」


手加減とかいうレベルじゃなかったね。とバインド系魔法で真っ二つになっちゃうとか思ってなかったヤクシが言った。


『魔法がー駄目だったのかもー』


同じく植物魔法で作った網で捕獲を試みてヤっちまったマリモちゃん。


「過ぎたことは仕方ないので次行こう」


虫取り網で一応捕獲出来ていた俺とグレイは勝ち組。まぁあまり気にしてないんだけどな。猫な俺はダンジョンアイテムの皿にいれてからじゃなきゃ飴食えないし。


わざわざ皿を用意して、皿に飴を入れてまで食べたいかというと、別に?な感じなのである。



さて、次の階層は5階。普通なら中ボスとなるのだが、このダンジョンは10階ごとの中ボスらしくて、またお題である。


なんならお題を出したいがために中ボスを少なくした疑惑まである。


「モンスターを倒してお菓子の家を完成させろ………どういうお題だ?」


グレイが困惑するのもわかるが、たぶんお題の通りなんだろう。


部屋に入ると、パステルカラーではあるが赤、紫、黄色、緑、青のストライプ……これストライプって言うのか?


なんにしても壁紙がカラフルである。


そして、部屋の真ん中には30cm大のお菓子の家の……作りかけっぽいのが置いてあった。


一応家の形をしている。クッキーで作られた壁と屋根だけのやつ。


「うにゃー」


周りに浮いてるのがモンスターだ。


そのお菓子の家を狙うようにふよふよと浮いてるお菓子類……一部材料もいる。


「マシュマロや板チョコはまぁわかるが、ボウルに入った生クリームはモンスターで良いのか?」


「にゃー」


無機物系モンスターの亜種らしい。


無機物ではないけど生き物じゃない奴らだ。攻撃手段は体当たり!


「……とりあえずモンスターを倒そう」


「キュー?」


ドロップ品を使って完成させなきゃなんだからマスターがヤるべきでしょ?とヤクシが余計なこと言ったので、俺がやることになった。


まぁ走って跳んで叩くだけなんだけど。ドロップ品はヤクシやマリモちゃんが拾ってグレイに届け、グレイがお菓子の家を飾り立てていく。


……あいつ、なんかチョコを湯煎で融かしたりとか、本格的にやろうとしてないか?


「にゃー」


なんか銀のつぶつぶしたのいくぞー。


「にゃー」


次はカラフルなチョコの長いつぶつぶいくぞー。


「マスター!先に生クリームとクッキーがあればクッキーを倒してくれ!」


注文が来た。まぁ確かに生クリームとかがないと飾れないやつ多いよな。特につぶつぶ系。

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