第349話 ファンシー?な2階と3階
部屋に入ると、鳥かご風の檻にふわふわ毛玉みたいな犬が居た。犬種的にはポメラニアンっぽいが、普通に犬型モンスターだ。
「にゃ」
掛け声一発檻をひっかいてみたけど、破壊不可の文字が出てきた。ついでに守るべき仔犬にびびられた。
「どうやら敵は4ヶ所から出てくるようだな」
数字が浮かんでいて、たぶんカウントが減ると敵が出てくるであろう白地に薄い紫色の水玉模様の3m大の箱を見てグレイが言う。
ご丁寧にリボンで装飾されたプレゼントボックスからガサゴソ音がしてるのはファンシーではなくホラーなんだが?
「キュー?」
もしかして中ギューギューなの?とヤクシが箱詰めされたモンスターに同情してる。
『あれー出てくる前にーやっちゃ駄目なのー?』
マリモちゃんは、言いながら植物で箱ぶっ刺しにいくのやめよう?プレゼントボックスから悲鳴が聞こえたりすると更にホラーだからさ!
ただ、カウントが終わるまでは攻撃不可だったようで、普通に弾かれてたんだけどな。
カウントは既に3なので、それぞれの箱の方に配置完了。一応ヤクシが仔犬にバリア張ってたので2階で出てくるようなモンスターでは仔犬に傷をつけられないだろう。
「にゃー!」
来るぞ!
カウントが1になった途端、パァァンッ!とクラッカーの音がして、箱から大量のウサギが跳び出した。
当然、俺は音に驚いて部屋の中を逃げ惑い、跳んできたウサギに驚いて猫パンチを繰り出してから走って逃げ、更にウサギと激突して驚いて逃げを繰り返した。
「にゃにゃにゃにゃ!?」
なんなのなんなのなんなのなんなの!?
踏んでは驚き、ぶつかっては驚き、目の前に現れては驚き、大混乱だった。
まぁそれで大半のウサギは俺がひき殺したらしい。壁や天井も走り回って大暴走だったようだ。
「仔犬の檻がカウントゼロと同時に消えるとか聞いてない、ヤクシ先輩がバリア張ってて良かった」
「キュー?」
もしかして大量のウサギがファンシーってことだったのかな?とヤクシが首を傾げてた。
『あの大きな音はーびっくりしたねー』
「にゃ……」
許さん……
俺を驚かせてただで済むと思うなよ……このダンジョンにはOHANASIが必要だ!
ウサギが消えた瞬間に現れた次の階層への階段をずんずん進み、3階のお題を確認すると、3匹の子豚を襲う狼役をやれと書いてあった。
「うにゃん!」
俺は猫だ!
「狼は最後殺されるんだが?」
「キュー?」
つまり子豚を倒せば良いってこと?
『めんどーだからー倒しちゃおー』
ということで、中に入ると藁の家と木の家とレンガの家があった。
マリモちゃんが即座に藁と木に干渉して中に居た子豚を倒して、勢いそのままレンガの家も壊して3匹目の子豚も倒せた。
『植物だってー強いんだぞー!レンガがなんぼのもんじゃーい』
んで、お題的に狼役ってことで3匹目の家を壊しちゃいけなかったらしい。
煙突から入って火にかけた鍋を処理して子豚を倒すなら狼役にそってる行動だったんだけど、家を壊して倒しちゃったので、お題に対して不合格判定が入ったようだ。
3匹の子豚が復活?というかオークに変身して襲ってきた。
まぁ、オーク程度猫パンチで一発だけどな!
「しかしまぁ、思ったより面倒なダンジョンなんだな」
俺たちは皆、グレイの言葉に同意した。
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