第344話 9階 宝石ミニゴーレム


カバディしてると、大急ぎでカロリーバーパーティーがやってきた。


「宝石ミニゴーレム!出たよ!感謝だよ!マジで!」


「ありがとう!本当にありがとう!」


「ありがとう!今度こそドロップしろ!」


カバディ状態を解除して、邪魔にならない位置で見学しとくことにした。


「これ、なんの宝石ゴーレムだ!?」


「しらね!青いからサファイアとかじゃねぇの!」


「聞くな!」


的確に採掘ポイントを掘りながら言い合いしてる。凄く器用な人たちだ。


「石ころばっかじゃね?」


「宝石出てないでござるな」


「採掘で倒すと掘れたものを確認しなきゃいけないんだな」


「採掘以外で倒すのも大変だけど、採掘で倒すのも大変だよね」


時々ゴーレムが採掘した鉱石を踏んじゃったりするからねぇ。ミニゴーレムは小さいけど、掘れた宝石を踏んだらたぶん粉々になるもんなぁ。


野田君のトリモチがあるとはいえ、とても上手い戦いかたをする人たちだ。


それだけに、ドロップしないの可哀想。ミロクみたいに周回作業が平気な人たちばかりじゃないし、レアモン探して倒してドロップ無しはキツいよねぇ。



「おっ!?おぉぉぉっ!?」


「おま、それ持って離脱!」


「踏まれる前に回収しろボケ!」


あ、出たっぽい。


明らかに石ころじゃない感じの塊が掘れたので、それを素早く回収して1人が離脱。他2人は、もう配慮する必要無い!とばかりにラストスパートをかけている。



「っと、見てる場合ではござらぬ。後ろからモンスター1くるでござる!」


野田君の掛け声で僕らは戦闘態勢を取った。


そして、そこに現れたのは……2体目の宝石ミニゴーレムだった。


「うん、まぁ、こういうこともあるよね」



「ねぇよ!」


「さっきからなんかおかしいでござる」


「イレギュラーじゃないだけマシだろう」


なんかあっちの人たちは出たっぽいし、僕らが倒しても良いよね?ってことでホリホリ開始!


「よいしょ!って宝石出た!」


「はやい!」


「申し訳ござらぬが拙者の方でも出たでござる」


「俺は何故か鉄だったが……怖すぎないか?このツルハシ」


本当に、ミロクが倒した時はどれだけドロップが出てくるんだろう?


「………俺だけツルハシ無理だからなんも出ない!」


三井君が文句言いながら魔法を撃ったり、杖でペシペシしてるんだけど、まぁダメージは入ってるけど掘ってる訳じゃないから三井君だけ何もない。


なんかごめんね?

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