第341話 9階 夜警
ダンジョンの中とは思えないくらいに快適に就寝。見張りは後に回して貰ったので先に寝ます。
皆は交代で見張りとお風呂してるらしくてわちゃわちゃしてるなぁ。
とか思ってたら寝てたらしくて、見張りの時間だと安田君に起こされた。
キッチンを出しっぱなしにして、インスタントコーヒーとおやつを置いておいたので、残ったやつをツマミながら見張り。
どうやらカロリーバーパーティーと仲良くなってたらしく、彼らのテントがちょっと寄ってて、焚き火を一緒に囲んでた形跡がある。
流石、コミュ強三井君。野田君もそんなに人見知りする方じゃないし……僕ら大丈夫かな?
「あ、コーヒーとか貰ってます」
「どうぞどうぞ、必要無いって言ってるのにミロクが色々入れてくるんですよ」
「助かってるけどな」
それはそうなんだけど、まだまだたくさん入ってるんだよねぇ。
「………」
「………」
「………」
ち、沈黙が…ど、どうすれば?喋った方が良いの?それとも黙ったままで良いの?え、どうなの?
「そ、そういえば!君たちは学校の遠征実習で来たんだよな!?」
「は、はい!そうなんです!10階層のダンジョンでボスドロップが提出物なんです!」
「実習の提出物は食材ダンジョンで用意したんですが、それだけでは遠征のもとが取れないと、鉱石を採って帰ることにしたんです」
よく知らない人と長文を話してしまった!凄い!成長してるよね!……いや?年上男性とはわりかしお話出来てたかも?
うん、そうだよ。年上男性はお喋りの得意分野だったじゃないか!大丈夫!
「奥まで入る時間はないのでセーフティエリアのある9階を回るつもりです」
「そっか、まぁ俺らも9階にこもってるからすれ違うかもだな」
「レアモン見つけたら呼びますね」
「そりゃ有難い!」
「ミロク人形のご利益あると良いですね」
……それはどうなんだろ?ご利益あるかな?
なんかミロク人形の前にカロリーバーがお供えしてあるけど、僕もにゃーるを追加でお供えしておこうかな?
「神木がお供えしても意味なくないか?」
「え、どうか出してあげてくださいってお願いしてるんたけど、ダメかな?」
「飼い主のほうに出てきそうだよなぁ」
……僕の呼ばれかた飼い主なんだ。
「皆さんがカロリーバー生活から抜け出せますように」
「………」
「……どうもありがとう」
あれ?出してあげてだと僕のほうに来そうだからちょっと変えたんだけど、ダメだったのかな?
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