第332話 5階中ボススイカ
「転がって壁にぶつかっても割れないスイカが棒で割れるわけないだろ!?」
全力で走りながらスイカを避ける三井君。
情報に無かったけど、中ボススイカは棒を持ってる人を狙うみたいだねぇ。
一応安田君が構えてたけど……スイカって球体だし大きいから盾と接触するときには既に潰されそうな位置になっちゃうんだよね。
「壁にぶつかって止まってる今がチャンスでござる!」
「野田君、これ使ってみて!」
一番素早い野田君に渡したのは大きめのストッパーだ。大型車のタイヤの下にはめ込むやつのもっと大きいやつ。
僕も持ってスイカに近づいて地面とスイカの隙間に入れ込む。
「なんかグラグラしてるけど止まった!」
「ミロクに持たされた良くわかんない道具だったけど使い方これであってるよね!」
「説明聞かなかったでござるかっ!?」
「役に立つ道具入れとくとしか聞いてない!」
「止まってる隙に三井は殴れ!」
「殴ってますけど!?」
「ガウッ!?」
「銀に汁かかった!」
すごくわちゃわちゃしてるけど、僕達は真面目にスイカを殴ってる。
野田君は投げナイフを刺しまくってるし、僕や安田君は剣の腹でベシベシ叩いてる。
頼みの綱の三井君は……スイカの芯を捉えることが出来ずに、なんかポクポク音させてる。
「三井君、落ち着いて真っ正面!上段から真っ直ぐ振り下ろして!」
「オラァッ!」
三井君が振り下ろした杖がスイカに当たると、ボグッと鈍い音がしてスイカが綺麗に割れた。
「よっしゃぁっ!」
「はぁ……強くは無いけど面倒な敵だった」
これ、ミロクならひっかいて終わりそう。魔力爪なら伸ばせるし、真ん中からスパッとやりそうだよね。
「ボスまで行くならスイカまみれになって着替えに時間取りたくないからな」
それが無かったらデバフ解除しながら普通に斬ってたよ。
「……というか、今頃気がついたんだけどスイカの汁が目に入らなきゃデバフつかなかったんじゃ?」
「「「……あ!」」」
「わん!」
目に入ってないから見えてる!って銀も言ってるし、やっぱりゴーグルとかしとけば防げたっぽい。
なんか謎に人数分のゴーグルが入ってると思ってたんだよね、採掘の時に目を保護する用かな?って思ったんだけど、まさかこれかなぁ?
とりあえず黙っておくことにして、銀に洗浄をかけて綺麗にしたらドロップと宝箱確認だ。
ドロップは大玉スイカ、宝箱は人数分あったので開けると、プランターで育てる苺栽培キットだった。
三井君はピーマン、野田君は茄子、安田君はミニトマト、それぞれの栽培キットだ。
「なんか僕だけちがくない?」
「果物野菜論争は不毛だから気にするな」
安田君に言われて思い出したけど、木に生ってるのが果物だから苺は野菜だとか一時期言われてたらしい。
……うん、美味しければ何でも良いや!とりあえずこれはセーフティハウスで畑のお世話してるドールに渡すとしよう。
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