第330話 1階 野菜系モンスター
カメラの準備も出来たので、どんどん進むことにする。
モンスターを無視するなら微妙に街道をずれた位置で進むと良いのだけど、普通に走ってもモンスターが反応しきれずに見送ってしまうのだ。
「銀、先行してモンスターを排除!」
「がぅ!」
三井君が銀にモンスターの排除を指示した。銀もいつの間にか賢くなってて成長を見てきた僕もなんだか感慨深い。
「拙者、銀に続きドロップ品回収してくるでござる」
「頼む」
安田君は装備が重いから速くは走れないし、三井君は単純に持久力が少ない。
因みに、僕は移動中後ろからの奇襲を警戒する役割なので2人についてる。気配察知のスキルって斥候系以外だとなかなか出ないんだよね。
だから装備で気配察知ついてる僕が背後の警戒することになってるんだよ。
銀と野田君は視界に入る範囲で先行して、道を開ける役割をしてくれるのだ。レベルが低いモンスターだから出来ることだ。
「安田は、装備重いのに!普通に、駆け足続けれんの、ヤベーよな!」
「三井、喋るな。息が続かないぞ」
「三井君、入り口から駆け足続けてまだ30分くらいしか経ってないよ?バテるの早くない?」
三井君がハァハァと息があがりだしたっぽい。
「き、基本的に、持久力系が、あがりにくい!」
確かにテイマーは後衛タイプではあるけども、魔石も食べてるって言ってたのになぁ?
「魔石食べた後に銀と追いかけっこして遊ぶと良いかも」
「わかっ、た!」
「トレーニングの話しは後でだ。もう少し頑張れ、野田たちが階段前で待ってるぞ」
あ、ホントだ。野田君が銀を撫でて銀は腹見せしながら尻尾ブンブン振ってる。
仕方ないので僕は後ろから三井君を押して走る。
「おぉ!?」
「…三井は乗れるテイムモンスターを手に入れたほうが良いと思うぞ」
「あ、空飛ぶボードとか作ってもらう?」
出来るか知らないけど、ミロクなら作れそうだよね?
「検討します!」
あぁ、うん、今言われても考えられないみたい。邪魔せず走ろう。
「わん!」
マスター遅い!って銀がハァハァしてる三井君に鼻ツンしてる。
「三井氏が思ったよりダメでござるな?」
「はい、三井君これ飲んで」
回復の水とスタミナポーションを渡すと、一気に飲んだ。
「ハァ、早歩き希望」
「了解」
「わかってたでござる」
「うん、まぁ最初の予定通りだね」
駆け足で行こうって言い出したの三井君だけだから、そこまで急ぐ必要無いから普通より少し速めで行ける予定だったし。
最近マラソンの記録も良いから行けるかもって思っちゃったらしいけど、三井君の記録って魔法使い系より少し上程度でバチバチの近接戦闘職の人と比べると……ねぇ?
三井君は時々変に自信満々な時があるよねぇ。
「……フゥー、わりぃ!なんかいけると思ったけど無理だった!落ち着いたし、行こうぜ!」
「三井氏は憎めないアホさが明るくて良いと思うでござる」
「とりあえず自分にスピードアップのバフかけておけば良いと思うぞ」
「スタミナポーション何本か渡しとくね」
「ごめんて!」
体力の配分も大切だって気付けて良かったね、これは僕達の優しさだよ!
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