第328話 帰り道の決意
にっこり笑顔の三井君にやられた2人に気をつかったのか、先生は話しはそれだけだって言って帰ることになった。
因みに計画書はオッケーだったので、新幹線やギルドの施設の予約をしたり足りない道具類を購入したりし始める。
鉱石系ダンジョンにも入るって言ったら、ミロクが自分の爪を合成した幸運のツルハシなるものを渡してきたんだ。
セーフティハウス内の坑道で試してみたら、普通のツルハシよりは良かった。ミロクみたいにボロボロ出てくるとかではないけど、少なくとも岩石ばかりではなくなった。
ツルハシは何気に武器兼採掘道具って扱いなので打撃系武器のスキルが乗るのだが、僕らのパーティーに打撃武器を使う人が三井君だけだ。
しかも三井君のは杖だ。
つまり魔法攻撃が多くなるかもなので、魔力ポーションも沢山必要だよね。鉱石系ダンジョンのモンスターって固いのが多いから剣は不利だよ。
案外打撃武器使う人少ないんだよねぇ、剣とかなら教えられる人も居るけどハンマー使いとかは本当に稀過ぎてスキル頼りだって聞くし。
因みにミロクはハンマーもバトルアックスも使える。
「そういえば、だいたい5日は留守にするけどミロクたちが何も言わないんだよねぇ」
学校からの帰り道、途中まで一緒に帰っていた三井君に言ってみた。
「…知ってるんだよな?」
やだなぁ三井君。
「知ってるも何も計画書はミロクと一緒に作ったよ」
「お前、それついてくる気では?」
……やりそうではある。
「いや、でも、この前の時はちゃんとお留守番してたし」
「長さがちがくね?」
「えぇ?」
「ちゃんと言い聞かせとけよ?じゃないと俺らの遠征が乗っ取られるぞ」
ミロクなら快適方向に乗っ取るだろうし、それもありなんじゃないかなぁって、ちょっと思ってしまった。
「もうすでに色々持たされてるから、ついていく気はないと思うけど」
「また持たされてんの!?今度は何!?」
「幸運のツルハシとか、魔力ポーションとか」
「…たぶん、ギリギリセーフじゃねぇか?そんくらいなら、まぁ普通の範囲」
「採掘ポイントレーダーとか」
「そんなアイテムあった………作ったのか?」
「ミロクって過保護だよね」
三井君もちょっと呆れ気味だ。
ここ最近、僕のことを自分の子供だと思ってるんじゃないかってくらい色々作って色々渡される。
僕らが行くのは10階層しかないダンジョンだよ?10日分の食料とか要らないからね?
「猫って飼い主を狩りの出来ない猫だと思ってるとか聞くけど、ミロクの場合は飼い主保護しなきゃ!だよな」
「実際レベルでは負けてるし、ミロクからしたらか弱いのかもしれない」
…やっぱり卒業後に叔父さんに言って深層に連れていってもらおう。
頑張って叔父さんレベルになってミロクを安心させてあげなきゃだね!
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