第324話 計画しよう
ダンジョンは決定したので、最寄り駅やバス停を調べて、東北までの移動手段も検討しなきゃいけない。
夜行バスとか新幹線、飛行機などの交通費と移動時間を比べて計画書を作っていく。
「飛行機は面倒だぞ?収納鞄は別で梱包して飛行機内で使えないようにしなきゃだし、検査が長い」
飛行機ね、一応機体にスキル封じの機能がついてるらしいとは聞くけど乗ったことない……と思う。記憶が無いくらい小さな頃のことは知らないけど。
「現実的なのは新幹線でござろう」
「まぁ時間と値段を考えればそうだな」
野田君の意見に安田君が賛同して、僕や三井君も頷いた。
「ざっくりとで良いんだけど、このダンジョンのボス倒すのに時間どんだけかかると思ってる?」
三井君の疑問に、僕たちはダンジョンのモンスターや階層情報を詳しく見てみる。
10階層かぁ、不人気で面倒な研究者の屋敷でもミロクたちが10階層に行くまでにかかったのってトータル2日くらいなんだよねぇ。
そこよりは面倒そうじゃないけど、ミロクたちのペースが洒落にならないくらい早いってのも加味しなきゃなぁ。
僕たちは放課後とかに少しずつって感じなんだよねぇ。相性良ければ早いし、悪ければ進まないし。
ボスだけに集中するって感じで道中のモンスターを避けて通れば1日で終わりそうなんだけど……それはなんか勿体無いよねぇ?
せっかく交通費かけて遠出するなら元取りたい。
「早さ重視で1日、適度にやって2日、買い取り金額を気にするなら3日だろう」
安田君が分かりやすく言ってくれた。
「だよなぁ!ちょっと思ったんだけど食材ダンジョンの近くに鉱石系のダンジョンあるだろ?そこにも行っていいか確認しねぇ?」
鉱石系ってなるとボスドロップが鉱石だし、判別が難しいから遠征先には向かないんだけど……遠征課題としては食材ダンジョンのボスドロップを出して、それだけじゃ赤字になるから鉱石系で稼ごうってことかな?
「モンスターのラインナップがなぁ、固いわけでもなく、状態異常系の攻撃もなく、速くもないから無視して先に進むことも出来るっぽい、これ1日で行けそうなんだよ」
「確かに、しかも食材だから買い取り金額がそこまで高く無いでござるな」
「おう、課題としてボスドロップのわかりやすさは満点だし、他のダンジョンを見てもそれだけはここが一番なんだよ……ただ、遠いから軽く経費とか計算しても儲けが出ない」
「探索者としては大問題だな」
皆納得した。
「とりあえず計画書で作ってみる?駄目なら先生も止めるでしょ」
「よし!じゃあ食材ダンジョンを1日で終わらせてギルド施設で1泊、鉱石系ダンジョンで2日……9階にセーフティエリアあるけど?」
「「「ダンジョンに1泊」」」
「オッケー!んじゃあ泊まった次の日は午前中まで、午後はギルド施設でレポート提出のためのアイテム整理だな」
大雑把に決まればあとは良い感じに調べて計画書を作るだけ。
………ミロク遅くない?
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