初めての

第323話 遠征先を決めよう


高校3年生になったらあると予告はされていた、ダンジョン遠征。


世間の休日や祝日に被ると込み合う可能性があるので平日に行けるよう期間がもうけられてはいるけど、場所によっては行くまでが大変な場合もある。


今回、僕らのパーティーに設定された目的は東北地方の10階層までのダンジョンのボスドロップ品というもので、入るダンジョンから僕たちで決めないといけないのだ。


というわけで、ギルドの資料室で皆と相談中。


「うにゃ!」


ここが良いと思う!


そして何故か居るミロクたち。


なんで居るの?僕は呼んでない、今日は遅くなるかもとは言ったけど呼んでないよ。


「食材ダンジョンの一つでござるか?」


「成る程、食材ダンジョンならご当地食材がドロップされるから証明としてもわかりやすい」


「土産にも出来るもんな!」


ミロクが東北地方の10階層までのダンジョンで検索したなかでのおすすめを提示してる。


そしてミロクたちが居ることに疑問も持たず、ミロクのおすすめに肯定的な僕のパーティーメンバー。


あれ?もしかして僕だけがミロクたちが来ること知らなかったのかな?


「マスター、偶然颯人様に会えて嬉しかったのはわかるが先に用事を済ませたらどうだ?」


……偶然?


「え?神木が呼んだんじゃねぇの?」


「いや、僕もなんで居るんだろ?って思ってた」


「爬虫類系が出るダンジョンに行ってドラゴンズが無双してきたのでアイテムを売りに来たんだ、そしたらばったり颯人様たちに出会ったのでマスターのテンションが上がった」



成る程。


「ミロクはちゃんと売るもの売ってきなさい」


「にゃー」


はーい。としぶしぶ出ていったミロクとグレイ。ヤクシとマリモちゃんはグレイの持ってるリュックから出てこなかったので、たぶん寝てる。



「えーと、それでなんだけど……ダンジョン決まりで良いのかな?」


「良いんじゃね?」


「特に問題は無いでござる」


「10階層までと指定がある時点でどこも大差ない」


うん、まぁ、僕たちのレベルが高いので10階層しかないダンジョンだとそこまで苦労しない。


お題を渡す時に先生から、なるべく特徴あるダンジョンを選んでくれって言われたから、むしろそこで悩んでた。


良くあるタイプのダンジョンだとドロップ品だけ近場で用意して、遠征先で遊んでたとかあったらしい。それで監視をつけることになったとかなんとか……


でも食材ダンジョンかぁ。



「収納鞄持ってるから良いけど無かったら厳しいよねぇ」


「食材ダンジョンだけはドロップ率めっちゃ良いもんな!」


「ダンジョンが食料自給率を上げにきてるでござる」


「なお、肉ダンジョンは食材ダンジョンでは無かったもよう」


「「「それな!」」でござる」


肉ダンジョンはドロップ率普通だもんね、なんか簡単に肉が食えると思うなよ!って感じ。


ただし、ドロップ率に関してミロクは除く。

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