第322話 遊ぶって決めたので


一通りのことを済ませて、ご主人には疲れも吹き飛ぶ回復の水を飲ませた。


そしてオモチャ箱をスタンバイ!


「にゃー」


まずこれで遊ぼー。


釣竿型じゃらしをご主人に渡しておねだりすると、スタンバイされたオモチャ箱と俺とじゃらしを見て、何か覚悟を決めた顔をした。


安心してください、オモチャは複数用意してますよ!


最初は様子見が如く、ちょいちょいと動く飾り部分に視線が吸い寄せられて……あ、右ぃ左ぃピョイッと跳んでぇ着地前に猫パンチ!弾いたことで更に動きが出てくるからもう夢中だ。


手首のスナップ効かせてテシテシ連打!からのキャッチして押さえつけ…逃がした!


くっ、やるではないかご主人!


「ミロク?ミロクー?なんか速度上がってない?おーい?」


「にゃにゃにゃにゃにゃ!」


オラオラオラオラ!


糸のおかげで不規則な動きするから楽しすぎるぜ!


「あ…」


へへっ、捕まえたぜ!口に入れてハグハグしなければ!………あれ?動かない?


「奪い取られてしまった隙に次のオモチャにいかないと!」


はわっ!なんか向こうに獲物おるぅ!だーっしゅ!おぉっ!?空に逃げるのか!俺もぴょーん!


チッ!俺が跳んだ瞬間反対方向に移動しやがるっ!活きの良い獲物だっ!ひゃっはー!


おっ!今度は床で挑発してくるとは!フフン!ここで急いてはいけないのだ!じっと堪えて姿勢を下げて…今っ!うにゃぁ!逃げられた!追え!追わねば!追うぞ!


「はっ、ほっ、よっ!あー捕まったかぁ上手だねぇミロク、次はピンポン玉とかどうかなぁ?」


コロコロコロコロ……


「にゃ!」


獲物!


捕まえようと前足出したら弾かれて転がるだとぉっ!?これは捕獲難易度高めの無限に遊べるピンポン玉では!?


カコンカコン跳ねるし、軽いから何処にでもとんでいくし丸いから転がるし楽しいやつだ!


「……ふぅ、暫くはひとりで遊んでくれるかな?」


両前足で挟もうとしてもつるんと逃げる!生意気!ハッ!パンチしたらとんでっちゃった!マテぇ!


「速いし、跳ぶし、空中での切り返しに魔力板使われてどうしようかと思ったよ」


「しばらくは夢中だろうから、ゆっくり茶でも飲むと良い」


「ありがとうグレイ、はぁ…次は動くお魚人形投げとこ」



はわわぁ!なんかピチピチしてるやつおるぅ!捕獲!前足でガッチリホールド!そして蹴り蹴り蹴り蹴り!動く魚のリズムにあわせて蹴らないとスカされるが、ここは数で勝負!


一心不乱に蹴るのだ!



ピピピッピピピッピピピッ…



「にゃ!」


ハッ!


「え、タイマーセットしてたんだ」


「うにゃー」


ご主人が筋肉痛になったら可哀想だから。


「それはありがとう」


「にゃ」


うん。


まぁまぁ満足したし、お片付けして、あとはまったりしよう。

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