第317話 真面目にやりなさい!


普通にマリモちゃんが隙間から出てオーガドールを倒し、ついでに出たヤクシが研究者ドールを倒した。


「にゃー」


静かになった。


ということで、檻はストレージにポ……イする前に天井と繋がってる鎖を切らねば!


「にゃ!」


ひっかく!


通常よりも多めにひっかいております!これぞ乱れひっかき!


鎖は普通に魔鉄だったので長めに切っといた。貰える金属資源は貰っておくべきなのだ。


「とうとうひっかくで魔鉄を切るようになったのか……」


「にゃにゃ!」


我にひっかけない物は無し!


ただし、檻は魔力を弾くので自前の爪を使うことになる。別に切れるとは言ってないから嘘はついてないぞ!ひっかくだけならなんだってひっかけるのだ。


さて、檻をストレージにポイ。やっぱり魔力を使った攻撃系じゃないスキルならいけるらしい。


まぁ、この檻の金属を調べるのは俺じゃなくてギルドだし、少し貰ってご主人の剣やグレイの盾に使えれば気にしないのだ。



オッサンを見てると思うんだけど、武器は複数所持してたほうが不安が無い。


この金属の剣をご主人が使ったら、魔法も弾ける剣士になるのだ!


「キュー」


それにしても寸劇見てて罠に填まっちゃったよね。


『そこはー気を付けなきゃーダメだねー』


「つまり、罠に気を付けながらモンスターたちの寸劇を楽しむということだな」


「うにゃ?」


いや、見つけたら即殺で良くない?


「なんて酷いことを言うんだ」


「キュー!」


人でなし!


『それはー酷いのよー』



な、なんなのコイツら?


「うにゃ」


とりあえず俺は人ではないから人でなしだぞ。


「キュ」


そういう意味じゃない。となんか真顔で言われた。


「このダンジョンの唯一面白い所を楽しむななんて、マスターは酷い」


グレイの言葉にヤクシやマリモちゃんもそうだそうだー!と声をあげている。


確かに景色は単調だし、モンスターは代わり映えしないし、罠は面倒だし、ギミックは探すのが大変だ。不人気なのも頷けるくらいのつまらなさだ。


「うにゃにゃ」


モンスターたちは真剣なんだから面白いとか言ったらダメ。


あいつら普通に殺意マシマシで殺しに来てるんだからな?俺達が強いから面白く見えてるだけで普通に殺意強めだぞ?


「にゃ!」


ちゃんとやりなさい!


尻尾でタシーンと床を叩きながら怒ると、ちょっとしょんぼりして頷いてた。



ただ、つまらないのは俺も同意するところなので、ちゃっちゃか9階を終わらせて10階中ボスを倒したい。


「にゃー」


寸劇楽しむより帰ってテレビ見たほうが面白いだろ。


「それはそうだ」


「キュー!」


ほら早く行くよ!


『さーちあんどですとろいーするのー』



……皆で競争してるわけでもないのに急ぎに急いで30分で9階が終わってしまった。

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