第315話 道徳から学んで欲しい
9階にはドールとオーガの合成モンスターが追加された。つまり人間サイズのオーガみたいな感じ。
「にゃー?」
人型に人型合わせて何がしたいの?
「力の強いドールが作りたかったのでは?」
なるほど。でも大きくないオーガに需要ある?巨体が素早く怪力ブンブンするのが怖いのであって、人間が素早く怪力ブンブンしても避けやすくなるだけでは?
改造ドールじゃなくて合成モンスターな所も謎なんだけどな。
その辺の分類って、もしやダンジョンさんの匙加減なのか?
でもまぁ、人間サイズのマッチョなオーガがこちらに気がついたと同時に突進してくるのは普通に恐怖だよな。思わず逃げたわぁ。
こう、急にバッ!と来られると反射的に止まるか逃げるかなんだよな。その時身体が動いたかどうかで違うんだけど。
「ちょっ!?」
グレイが慌てて俺を捕まえようと手を伸ばしたけど、これも反射的に避けた。
すまぬ、本能なのだ。
ちょっと離れてから立ち止まり、後ろを振り向いて確認………この時に冷静になった。
「……にゃ」
………つい。
「キュー」
マスターが猫みたいだったね。とヤクシに言われたが、俺は正真正銘猫だ。
オーガドールはマリモちゃんがちょっと大きくなってからぶん殴ってた。
「マスターは時々猫が出るよな」
「にゃ!?」
いつも猫だが!?
「はいはい」
えぇ?なんか冗談は良いから、みたいな反応されたんだが?
正直納得出来なかったが、ダンジョンを進まねばならぬので文句を我慢して移動再開。
研究室っぽい所で機械に繋がれた10cm四方の立方体を複数発見。綺麗なメタリックブルーのモンスター捕獲器である。
ご丁寧にテーブルの上にレシピまで置いてある。
因みに、これは弱らせたモンスターに投げ当てると8分割して広がり、分割した部分を点としてシールドでモンスターを閉じ込めて、身動き出来ないくらいまで縮む。
生け捕り用アイテムなのだ。ただ、モンスターによってはシールドを破壊できるかもしれないので注意が必要。
合成モンスターの材料がドロップ品じゃなかったので、そんな気はしていたけどモンスターを生きたまま錬金釜に入れるとか中々狂気だよな。
「キュー」
モンスターを外に連れ出すって中々ヤバいね。
「にゃにゃ」
この中から出たらモンスターは死ぬと思う。
だって外はまだ魔力が薄いのでモンスターは生きてられないと思う。
「にゃにゃー」
ダンジョンさんはやって良いことと悪いことの区別ちゃんとして。
いくらなんでもモンスター可哀想派が大量発生しちゃうでしょ。ダンジョンでそういうモンスターとして出現するのと、人間が生きたモンスター使って作るのとでは道徳心的な意味で全く違うんだ。
「また厄ネタではあるな」
「……にゃ!」
……特区には絶対渡しちゃダメ!
そういえば、このダンジョンと気が合いそうなのがゴロゴロ居るんだった!
高村と相談してから破棄するか決めよう。
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