第310話 幸運が呼んだモンスター
部屋の確認はテキパキやろう!と皆で頑張った。
棚の引き出しは泥棒開け(下から順に開ける)して天板部分に何も張り付いていないことを確認。
引き出しは二重底になって無いかとひっくり返す。
勿論部屋にカーペット等の敷物があればひっぺがすのだ!
なんか研究室っぽい部屋とか誰かの私室っぽい部屋とか、バリエーション豊かなんだよな。
そして何故か娯楽室っぽいとこもあって、ルーレットやダーツでスタッフっぽいドールと対決したりした。
コイツら首に『攻撃しないで』と書かれたボードかけてた。
因みに運要素のゲームは俺が無双した。最初からわかってた。ダーツは頑張ってグレイが当てたよ?投げる強さとか角度とか計算して全部真ん中に当ててた。
それぞれの景品で薬草各種栽培キットとか、アクセサリー用の貴金属セットとか、収納鞄の作成キットとか貰った。
ついでに全てのゲームで勝ったからギミックアイテムも貰った。
「にゃー」
やっぱ運しか勝たん。
「キュー」
これで僕の収納鞄作ってね。とヤクシがおねだりしてきた。そういえばヤクシだけ収納系無いんだな、作ろう。
「ボーナス部屋だったんだろうか?」
『マスターの幸運がー仕事しただけだと思うー』
さて、貰ったギミックアイテムはレリーフだったんだけど、それがぴったり嵌まりそうな凹みのある壁を発見した。
グレイがレリーフを嵌めたら、ガチッと何かの仕掛けが作動して、壁に2本の亀裂が入って下に吸い込まれて行った。
下スライドの扉だったようだ。
「にゃ」
こういうの上じゃないんだ。
お店のシャッターとか上からだから下スライドって珍しいな。
「………マスター、隠し通路みたいだが?ホームページに記載が無い」
うん、まぁそんな気はした。娯楽室のゲームって結構運要素多めだったし、他の探索者はレリーフ貰って無さそうだなって思ってた。
「うにゃ」
とりあえず行こう。
進んで情報出しとけば情報料も貰えるので行かないわけがない。
通路を進むと、突き当たり右側が下りの階段になっていたので進むと……
「にゃー?」
ボス扉では?
「10階のボス扉にしては距離がおかしいので隠しボスなのでは?」
ほほう?隠しボスってことは強いやつだよな?
「にゃぁん!」
開けまーす!
同じダンジョン内にストレス発散モンスターを用意しているとは!なんて気がきいているのだろう!
………いや、このダンジョンのことだから隠しボスもスッキリしないやつだったりして?
期待と不安が半々で扉を開けたら、中に待ち構えていたのは……
『グルォォォォォッ!』
キメラだった。ライオンとヤギとコウモリのキメラだった。
「うにゃにゃ!?」
いきなり難易度おかしくないっ!?
鑑定しても普通にキメラだった!魔法属性までついてて、レベルこそ45とかだけど普通に強そうなキメラだった。
ライオンの口から火がチロチロしてるし、ヤギの口から毒々しい煙出てるし、コウモリは……普通のヨダレだ!?
コウモリの羽があるから飛ぶし、尻尾は何気に蛇だった!
「キュ」
きっも。
……ヤクシの第一声が辛辣過ぎてなんか落ち着いた。
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