第305話 高村と愉快な肉ダンジョン
「まぁ、普通のドロップ率なら3~5羽で1つ落ちれば良い方だしな」
「俺、ドロップ率低いんで5羽で1つなんですわ」
「それは大変ですね」
簡単に計算しても25羽倒さなければいけませんし、道を外れて鶏探ししなければなりません。
まぁ、ミロク君のアイテムがあれば結構な確率で落ちますけど。
「とりあえず、俺の用事から済ませて良いよな?」
田中さんはバリアを展開しながら枝豆を採取するそうです。枝豆太郎の攻撃くらいなら簡単に防げるので取り放題らしいです。
「ふむ、ちょっとした裏技ですが…」
安全なことは確認済みの裏技です。地面に手を当てて、おもいっきり電気を流します。
すると、枝豆太郎が麻痺るんですよねぇ。
「マジか……いや、高村にしか出来ねぇやつでは?」
「これアホなんがスタンガンとかで試したら爆発するヤツちゃいます?」
「だからちょっとした裏技と言ったでしょう?」
神木が枝豆太郎の周りにバリアを張って、雷魔法で爆発するか実験しようとか言い出したので色々試した結果です。
麻痺した枝豆を素早く採取して、倒さずにその場を離れました。
2階以降は雷魔法をばらまいてストレス発散しながら移動しました。
田中さんや佐藤さんもちょこちょこと倒してましたが、殆ど私です。
「いやぁ……ドン引きですわぁ……」
「そうか、ダンジョン内の高村は初めてか、可哀想に」
「田中さん?何が可哀想なんですか?」
「どっかの雷帝のせいで魔法職の概念が崩れるからだよ!」
はて?私のせいで?ちょっと心当たりがありませんが?
「何わかんないって顔してんだ?魔法でもなんでもない変換魔力のばらまきでモンスター倒すし、主な攻撃手段は拳だし、近接戦闘バッチバチの大賢者だろうが」
「は?」
「いや待て佐藤、俺がおかしいんじゃない、高村がおかしいんだ」
佐藤さんが何アホなこといってんだ?みたいな顔で田中さんを見たので、田中さんは慌ててますね。
「高村は神木に殴り大賢者とか言われてるヤツなんだ!」
「……田中さん、俺はこれ以上深入りしたないんで!なんや事情知っとるからってパシられとる気がしとるんです!はい!忘れたーっ!今聞いたの忘れたーっ!」
佐藤さんが耳を塞ぎながらアーアーと騒いでます。
「高村?」
「ちゃんと指名依頼として出してますよ」
パシりなんて失礼な、ちゃんと報酬も出してます。
「それより佐藤さん、次4階ですから準備してください」
「ハッ!せや、鶏肉!」
普通の面白味の無い弓を構えた佐藤さんはしっかりとした狩人の顔になってました。
「因みにですが、部位の指定とかはありませんよね?」
「無いですけど、モモ肉かムネ肉やないとアカンと思います」
その2つ以外だとレアで手羽先とか足とか出ます。でも普通だとお目にかかれないものですね。
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