第304話 高村の優雅な休日


一応報告も済んだので神木は解放します。


神木にあわせて私もギルドに詰めてましたから、この後から休暇申請してあります。


まぁ、2連休ですけど。


家に帰って掃除と洗濯をしなければなりませんので深層に行ってる余裕は無いですが、近場のダンジョンでモンスターを殴りにいく時間はあります。


せっかく特製カメラを貰ったので1階からモンスターの攻撃パターンでも撮ってきますかね。


倒し方は……どう頑張っても1階のモンスターは一発殴れば死にますからねぇ。むしろデコピンで倒せますから、ちょっと難しいです。


というわけで、家に帰って掃除を終わらせて、次の日。


朝から洗濯機がフル稼働し、洗濯物をベランダに出し、ついでにベッドカバー等も洗濯します。


収納鞄を手に入れてから着替えの為に洋服の枚数が増えたんですよね。


探索中でもモンスターに気取られないように匂いなんかも気をつけてましたし。ギルド職員になってからは主に神木のせいでギルドに寝泊まりすることが多々ありましたので。


だからギルドの制服は自宅で洗えるタイプに変えさせたんです。いちいちクリーニングなんて出してられませんからね!


洗濯中は趣味のインターネット見廻りをしながら、ちょっと悪どいサイトは削除しました。


なんとか午前中で洗濯物を干し終わったのですが気分がのらずにゆっくりと過ごしました。




休暇最終日。


朝から肉ダンジョンにやって来ております。改札でばったりお会いした2人をお供に加えて1階からモンスターを倒していきます。


因みにミロク君が言うところの弓の人佐藤とタンクおじさんです。


タンクおじさんは田中さんといって、神木とは違う正統派タンクです。


「タンクと狩人と魔法職ってバランス悪すぎでは?」


「なんで俺は改札でバッチリ目がおうてしもたんやろ……」


「タンクと後衛とアタッカーでちょうど良いと思いますが?」


このダンジョンならヒーラー要りませんよね?


「俺、採取で枝豆取りに来ただけなんだけどなぁ」


「俺かて焼き鳥パーティーするから鳥狩ってこいてオカンに言われたから来ただけや」


「佐藤さん、それ普通に店で鶏肉買って来て欲しいということでは?」


「オカンに5羽狩ってこい言われとるんでダンジョンでおうてます」


5羽も焼き鳥にするなんて、佐藤家の焼き鳥パーティーが気になりますね。


「ダンジョンの肉って結構デカイのに5羽も要るのか?」


田中さんも疑問に思ったようです。


「ジジババにオトンとオカン、姉夫婦に甥と姪がおって義兄の弟さんとその嫁さんと子供も来るとか聞いたんで、最低でも5羽言うてました」


「その人数で焼き鳥パーティーは無謀では?」


「普通に焼き肉とかじゃ駄目なのか?それ」


「うちの夕飯ってオカンがその日の気分で決めとるんでなんとも……逆らったら後が怖いんで俺は言われたことやらなあかんのです」


だからご一緒出来ません、なんて言い出す佐藤さんですが……


「私、ミロク君特製の幸運アップアイテム持ってるんです」


「協力しますんで報酬に鶏肉ください!」


ですよね!

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