第303話 高村の分厚い報告書


颯人君達が帰った事を確認してから神木との喧嘩を切り上げる。


「神木、お前が深層に行ってた間の報告書がこれです。読んだら破棄しなさい、この部屋から持ち出すのも禁止します」


分厚い書類を神木に投げ渡す。中身は神木の兄夫婦………颯人君のご両親の報告書です。


「うげぇ…また分厚いな」


「仕方ありませんよ、定期的に帰ってこないのが悪いでしょう?」


一応、颯人君の弟妹のことは伝えてありますが理解出来ないとか言ってましたね。そういうとこは常識的なんですよねぇ。


逆に何故奴等の倫理観がヤバめなのか不明ですけど……いや、神木が親戚連中はクソだとか言ってたので親父さん達と神木と颯人君が神木家では異端なのでしょうか?


まぁ、ヤバい連中に関わるだけ損しますから放置しますけど。


「……なぁ?なんかヤバい研究してね?」


「してますね」


モンスターのドロップ品、牙や骨等モンスターの一部であった物からモンスターの遺伝子を採取して人間に組み込めないか研究してたりするんですよね。


テイムモンスターからも血液等採取しようとしてましたけど反撃にあったので断念したそうですが、実は諦めて無かったり。


「これモンスターの遺伝子入れて改造人間作ろうとしてるよな?」


「奴等は種族取得や獣人のこと知りませんからね」


これから出てくるヤバい奴が特区に入ればバレそうですけど、まだ時間はあります。


「倫理観どうなってんだよ…」


「まぁ、これについては私の一存で自然災害を装って雷落としました。データ消去と実験室の火災で全て最初から、ついでに何ヵ月か入院してもらってます」


上に投げて賛同者が出てきてはたまりませんからね、研究資金も無限ではないので、建物破壊で遅延行為もバッチリです。


「それはそれでどうなんだよ……ざまぁだけどよ」


入院に関してはポーション使えばとは思うんですが、火傷や呼吸器系の炎症等は初級だと足りない場合があるんです。


中級になってくると数の問題ですね、探索者ってポーションは自分で使うために売る人が少ないんです。


錬金術師や薬剤師などはレシピがあっても材料が足りないんですよね。まぁ、採取スキルの魔石は教えてもらってるので少しずつ増えてますけど。


「はぁ……相変わらずだな。ありがとよ高村」


「推しの迷惑になるような存在は早めに対処しときたいので」


「ブレねぇな」


推しの快適な生活のために応援するのはファンの務めですが何か?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る