第301話 颯人の本音
高村さんも叔父さんもホッコリしてたんだけど、ヤクシやマリモちゃんは何言ってんだコイツ?って顔してた。
まさか真実を知ってるんだろうか?でも面倒だから黙ってるのかな?うん、ありそうな感じ。
「ところで叔父さん」
「ん?」
「会ったら言いたかった事があって…」
ん?何故か叔父さんが真面目な顔して姿勢を正した。
「じいちゃん達に叔父さんの嘘がバレるとかいうのって、叔父さんが嘘つくの壊滅的に下手だからじゃない?あの演技力じゃ、じいちゃん達じゃなくても即バレすると思う」
叔父さんのお嬢様動画見てから、会ったら絶対に言おう!って思ってたんだよね。
「………ん?ん、はい?」
「言いたいことって本当にそれですか?」
なんか叔父さんが変な顔してるし、高村さんがちょっと狼狽えながら僕に訊ねてきた。
「え?はい」
「にゃー」
『きっとおっさんの不義理についてご主人が文句言うと思ってたんだろ』
あ、あー……なるほど。
「キュー」
『遠慮せずに言えば良いのに』
「俺も今言いたいこととして言わなきゃいけないのはそれじゃないと思う」
『それーずっと言いたかったのー?』
なんだか皆からそれじゃないとか言われてるけどね……
「叔父さんに何か言っても改善されないからなぁ?それに僕思ったんだけど、ちゃんとしてない保護者って干渉してこないほうが平和だよ?」
ちょっと言葉は選ばなかったけど、本音がこれだ。
近くに身内が居なくても僕には猫がいると思えば愛が溢れる生活が送れるんだよ。
ついでにペットのペットとか頼れるお兄さんドールとかも増えたし、寂しさとか感じないよ?
「にゃ」
『確かに』
「キュー」
『盲点だった』
「なる…ほど?」
『飼い主はー守護者を倒したー』
ハッ!マリモちゃんに言われて叔父さんを見ると、ガックリという音が聞こえそうなくらい落ち込んでた。
「ハッ、ざまぁ」
高村さんがいつもの姿からは考えられないほどゲス顔してる。
「にゃーん」
『おっさんは通信簿で人の話をさいごまで聞きましょうとか書かれるタイプ』
ミロクが遠回しなのか直球なのかわからない事を言ってる。でも本当にそんな感じなんだよね。
まぁ、叔父さんは時々会うくらいがちょうど良いよ。
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