第300話 お裾分けを渡せた


「うにゃ」


『因みに50年は近所の野良猫を鑑定したら出た』


近所の野良猫ってミロクとのレベル差エグくない?あれ?ミロクの寿命は?


「ミロクの寿命じゃないの?」


「にゃー。にゃにゃ」


『いや、猫の寿命一覧みたいなのが載ってた。60レベルでだいたい寿命が50年に伸びるけど、個体差ありだって』


「キュー」


『動物って進化先でもだいぶ変わるよね』


「うにゃ」


『そう、だから目安的なやつ』


「マスターには長生きしてもらわないと先輩たちは野良になるし、俺は稼働出来るか不明だしな」


グレイが不穏なこと言ってるけど、なんか君はずっと稼働してギルドの所属になりそうだよね。


「……そういうのもっと早く言っとかないと駄目だぞお前ら」


なんか叔父さんが言ってるけど…


「お前が言うな!」


「ほんとそれ」


高村さんに叱られて、僕も高村さんに同意する。


「ですが、まぁ、世間の反応が怖いですね…またダンジョン庁が頭を抱えそうです」


『因みにー寿命が伸びるに従ってー生殖活動の低下作用がありますー』


なんかマリモちゃんがついでに言っとけみたいなノリで爆弾発言した。


「うにゃ」


『レベルが100越えるような奴等の話だから殆ど問題無い』


「あ、それならほんの一部ですね」


「漫画の長命種族とかってそんな感じだよな」


叔父さんの言葉で納得した。確かに殆どの作品で長命種族は人数が少ないとか出生率が低い。


まぁ、そうじゃないと人口増加でパンクしちゃうしね。いくらダンジョン初期時代に人口が低下したっていっても一億人くらいは居るし。


因みにダンジョン初期時代はノウハウを作成して試行錯誤しながらだったのでダンジョン内での死亡者が本当に多かったらしい。


先人の犠牲があったから、僕たちは比較的安全にダンジョンに挑めるのだ。


「なんにしても報告書を上に投げねばなりませんね」


「なんか仕事増やしてすみません、あと今日の目的なんですけど、ミロクの検診ついでにオモチャ箱ダンジョン行ってきて、買いすぎちゃった鰻なんですけど、お裾分けです」


そう、忘れちゃいけない今日の目的。


叔父さんも欲しいかな?一応渡しとこうかな?1枚…2枚?3枚だと僕のストックが無くなるし2枚で良いよね。


「これはありがとうございます」


「おー、鰻好きなんだよ!てかオモチャ箱ってあれだろ?ダンジョンの川で鰻の養殖してたら増えすぎちゃったやつ」


「肉ダンジョンで魚が普通に生息できると証明されましたからね、だったら鰻の養殖に使えるのでは?と稚魚を放流したら天敵も居ないので増えたそうです」


ダンジョンの川は生態系を作ってるわけでもないので餌が無いはずなんですが、何を食べてるんでしょうね?って高村さんは笑ってた。


急にダンジョンホラーぶっ込むのやめてもらって良いですかね?


「にゃーん」


『きっとダンジョンさんが餌やりしてるんだ』


ダンジョンさんは優しいから…ってミロクが正解言った!みたいに自信満々だった。


ちょっと想像したらホッコリした。

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