第298話 オモチャ箱からの帰宅


食べ物の話をしていたら小腹が空いたので、ボス部屋でオヤツをいただいてから出た。


鰻を売らないとなので、本部じゃなくて支部のギルドに入って売った。なんかギルドの売店に鰻の蒲焼きの真空パックのやつが売ってたから、捕まえたのは全部売ってそれを買って帰るらしい。


ギルド職員からも鰻を御家庭で捌くのは推奨しませんって言われたんだよね。


血に毒があるのとか、グレイはドールで関係無いし、内臓とかはセーフティハウスの畑の堆肥にするから問題無い。


でもまぁ簡単なほうが良いよね!ってご主人が言うから良いのだ。


というわけで鰻といらないドロップアイテムを売って、グレイをナビにして猫馬車で帰った。


タクシー待つのとか面倒だったし、俺はナビがあれば運転出来るタイプだったので俺が走ることにした。


帰りついたらもう真っ暗だったけど、タクシー呼んで帰るよりは早かった。


どうせ今日はチルドの鰻だしな。温めてご飯に乗っければ完成だ。あ、俺はいらないですぅ、カリカリに鶏ササミ入れてくれ。


だって、もし骨があっても俺のプリチーハンドじゃ取れないのだ。美味しいとは思うけどそこまで好きじゃないから。


そして夕飯と風呂を終えてまったりタイムで新しいネズミを蹴り蹴りして一段落。


「うにゃー」


それにしても、獣型が多かったのに肉が無いのは珍しい。


「オモチャ箱だからね。そういえばイレギュラーのドロップなんだったの?」


あ、ちゃんと見て無かったし忘れてた。えーとどれだったかなぁ?


「にゃ」


あった。


「ん?あ、動物用の服かな?」


「うにゃ」


パンダ変身セットだな、呪いはない。


俺はちょっと遠慮して、ヤクシに着てもらった。パンダ帽子にパンダシャツ……コスプレ感しかないけど地味に防御力+1だ。


「可愛いよヤクシ!」


あぁ…ご主人がカメラで撮りまくってる。


「うにゃ」


必要無いから明日ギルドに売ろう。


「売るんだったらミロクも1回着てね!」



……はい。


ちょっと目をそらして嫌そうなのは見逃してほしい。本当に気持ち悪いんだから仕方ないんだ。


でもご主人のお願いだから、しかーたなく着るんだ。ご主人は写真撮れば落ち着くから。


パンダコスプレして撮られた写真には、すごく嫌そうな半眼の猫が写っていた。確認してからソッコー脱いだ。




因みに、忘れた頃に検診結果が届いたんだが、ちょっと体重が平均より軽い以外は健康だった。

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