第296話 オモチャ箱3階


さて、ここで思い出していただきたい。我々が何故このダンジョンに来たのかを!



ご主人の鰻?違う!このダンジョンの名前を思い出すのだ、そう!オモチャ箱!つまりオモチャをゲットしに来たのだ!


イレギュラーを排除した今、ドロップ率も戻っているはず。というわけで、狩りの時間だ!


「うにゃぁぁっ!」


魔法矢各種てぇーっ!


てぇー!とファイアー!で迷ったがてぇー!のほうが爆撃感あるかな?って思ったのだ。


ちゃんとロックオンとホーミングもつけてるからな!魔力消費が凄いことになってるけど、大賢者猫である俺には余裕だ!


レベル差が大きいので当たれば倒せるし、ここのモンスターのレベルじゃ避けられもしないようだ。


「にゃー」


終わった。


「キュー」


酷いものを見た。と言いながらドロップアイテムを拾いに行くヤクシ。


マリモちゃんはツタを伸ばして横着しつつも拾ってくれてる。


「一瞬だったね」


「病院でのうっぷんがたまってたんだろ」


グレイの言う通り、ちょっとスッキリした気はする。


「にゃ」


拾いに行ってくる。


見える範囲のモンスターを全部倒しちゃったので、あちこちにドロップ品が転がっている。


ヤクシなんか面倒になって小さな竜巻で集め始めてる。それ、採用!



何とか5分くらいで集め終わった。


「うにゃー」


首輪が多いね。


「あ、じゃらしもあるよ?このロープとかは犬系が噛む用かな?」


「骨?」


骨はガリガリかじる用だな。猛獣系の奴等は顎の力が強いので、歯応えのある骨は人気商品だ……って鑑定に書いてあるぞ。


何でダンジョンさんは売れ筋商品を把握してるの?ドロップに反映するために市場調査は欠かせないの?


「うにゃー」


このネズミと設置型じゃらしは俺のにするー。


「流石モンスター用ネズミ人形、デカイ」


魔力を流すと流した時間だけ動き回るネズミ人形、兎サイズ。他にもカピバラサイズとかあるんだが、俺にはでかすぎる。


設置型じゃらしは吸盤っぽいのに、しなる棒が3本ついてて、棒の先にヒラヒラとかがついてるやつだ。これも一般的なペット用より大きい。


基本的にモンスターのためのオモチャなので壊れ難く、サイズが大きい。


「にゃにゃ」


これからペット探索者も増えるだろうし、普通のペットサイズもあると良いと思う。


「ミロクはまた、ダンジョンさんにリクエストして…」


「ダンジョン的にも利用者が増えるのは嬉しいだろうから、いいのでは?」


「にゃ」


言うだけならタダだから。


「それはそうだけど、ミロクの場合は反映されるじゃない」


「うにゃー」


悪いことじゃ無いから良いんだもーん。


猫らしく悪びれずに言った。ついでにご主人を篭絡するためにスリスリしとこう。


「くっ、可愛い……」


よし、篭絡完了。


『はいはいーイチャイチャしてないでーボスはどうするのー?』


「にゃ!」


ボス!


忘れてた。ボスがまだ残ってたんだ!ヤらなきゃ!


サッとご主人から離れてボス部屋の扉へ向かう。


「あぁぁ…もてあそばれた」


「颯人様、急がないと鰻がダメになるぞ」


「さぁ行こう!」


ご主人の切り替えも早かった。


「キュー」


結局似たもの主従だよね。というヤクシだが、俺はご主人みたいにホワホワしてないから違うと思う。


え?違うよね?

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