第295話 初級だから仕方ない
一応、ご主人がイレギュラー連絡をギルドに入れて、自分たちで処理しますと告げていた。
ので!倒しに近づいたんだけど……ジャイアントパンダっぽい見た目というか、柄?なんだけどフワモコ感は無かった。短毛な感じでムッキムキだった。
ついでに顎がしゃくれて?下顎が発達してる?なんか下の歯がニョキッとしてる?まぁ、パンダではない。
カラーリングだけのパチもんだった。むしろ熊でもない。オーガに毛を生やしてパンダカラーにした感じだった。
「酷いパチもんを見たよ」
「知識にあるパンダとは違うんだが?」
ご主人は首を横に振ってるし、グレイも首を傾げてる。
「にゃ!」
とりあえず倒してくる!
「あー、待って!皆さーん!今からそのイレギュラーモンスターを倒しますのでー!」
おぉ、そうだな!言っとかなきゃな!
ご主人に気がついてよそ見してる人とか居るからちゃっちゃとやるぞ!
シュッと行ってひっかく!かーらーのー華麗な着地!そしてドロップアイテム拾ってご主人の元にダッシュ!
「うにゃ」
褒めれ。
「ミロク凄いね!一撃だったね!カッコいいよ!」
「にゃ!」
えっへん!
ちょっと胸張ってキリッとしてみた。フフフン。
「キュー?」
レベル差考えたら雑魚では?って本当のことを言うんじゃない!
「というか、あの人達はどうするんだ?」
グレイが指差したのは自分たちのペットを捕まえようと頑張ってる人達だ。
どうやら興奮状態はまだおさまらないらしい。というか逃げちゃった奴等は何処に行ったんだ?
「……どうするんだろうね?」
『一部マリモちゃんたちをー怖がっているかもしれないのよー我ドラゴンであるからー』
あ、それもあったな。慣れるまで威圧感とかあるんだったか?野良と違って飼われてると威圧に弱い問題。
「一応ギルドに処理終わった連絡しなきゃだし聞いてみる」
というわけで、ギルドからの指示で俺たちは遠回りしながら3階に入ることになった。
ドラゴンパニックが起こされるよりは無視して先に行って欲しいらしい。
イレギュラーモンスターからペット迷子事件へと発展してしまったので、ギルド職員さんは頭を抱えているだろうな。
まぁ、俺たちはどうしようもない。
というわけで、3階に来たんだが……
「うーん、わかりやすい」
サバンナとオアシスがモチーフになっているので遮蔽物が殆ど無い。つまりボス部屋の扉が丸見えなのだ。
というよりフロアがそこまで広く無いからサバンナとオアシスがぎゅっと詰め込まれた感ある。
そしてモンスターが明らかに小さい。モチーフになってるだろう動物よりも小さい。
ポニーサイズのシマウマ(牙と鋭い爪あり)とかブタサイズの水牛(角がドリル)とか。
「にゃ」
残念臭がすごい。
初級ダンジョンだもん、仕方ないんだよね。
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