第293話 オモチャ箱1階の川と鰻
とりあえず1回川に行こうってことになった。
水音がだんだん近くなっていき、雑木林の中のちょっと開けた場所が川になっていた。
「……にゃ?」
……この川何処に繋がってるの?
なんか唐突にバーンと川が現れた感じだし、何処に流れていってるのかわからないのだ。
「あ、ここはね?楕円形に繋がってるんだって。川なんだけど解りやすく言えば御家庭用の素麺流しみたいな感じ」
わ、解りやすい、けど!ちょっとダンジョンさん!?それは川なのか!?いや、川としか言いようが無い見た目だけれども!
最初に探索した人もよもや繋がってるとは思わなかっただろう。
というか……
「うにゃ!」
なんかめっちゃにょろにょろ!
見てわかるくらいにょろにょろしたのが川の中に居る!ちょっと気持ち悪い!
「……これ、掴み取りいけるのでは?」
ご主人はちょっと首を傾げながら呟いた。俺はそれを聞いて、嘘だろ?って顔してると思う。だってグレイがそういう顔してるもん。
「ミロク、ちょっとバケツとかある?」
「う、にゃ」
は、はいどうぞ。
掴み取りする気なんだろうか?とりあえずバケツ渡しちゃったけど、あのにょろにょろに腕突っ込むの?
「颯人様、この量だとバケツをそのまま入れたほうが…」
「あ、そうかも?やってみるね!」
ナイスゥ!グレイ、ファインプレーです!
ご主人は躊躇いもせずにバケツを川に入れたけど………
「入るは入るけどにょろっと逃げられるね、活きが良い鰻だなぁ」
バケツから逃げようとする鰻を掴んで押し込んでる。
パ、パワフル……!知らなかったご主人の一面!
「よし!なんかいっぱい捕まえられた!」
ご主人はニッコニコだった。
「あ、でもどうしよう?生きてると収納できないよね?えー?」
「うにゃ!にゃにゃ!」
大丈夫!敵はミロクが倒すからご主人はバケツ持ってて!
バケツに入った水の中には明らかに人数分以上の鰻がにょろにょろしていた。それを今から捌いて収納なんて出来ないから、ご主人にはバケツを持って貰って、モンスターは俺が倒す!
「そう?ならお願いね」
よし!
「あれ?そういえばヤクシとマリモちゃんが居ない?」
「うにゃ!にゃー!」
ご主人が鰻取る間にモンスター倒しに行ったんだ!効率的な時間配分!
ちょっと自分でも何を言ってるのかわかんなくなったが、ご主人に引いてたとは言えないだろ!
「そっかー!じゃあ早めに追い付かないとね!」
とりあえずグレイがバケツに布でカバーをかけて逃げないようにしたあと、2匹を探しながら移動することにした。
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