第287話 卵についての妥当な判断
用事も終わったし、帰ることにしたんだがおっさんはまだまだ高村に拘束されるらしい。
前回の失敗から、帰って来た時は収納鞄の中身を全部出して変なものが無いかを確認することになったらしい。
そういえばなんだが、おっさんはダンジョンに入ってばっかりだけどテイムモンスターの卵どうなったんだろ?
「うにゃ?」
『そういえばおっさんは卵どうなったんだ?』
ちょっと思い出したから聞いただけなのに、凄く落ち込まれてしまった。ズーンと効果音が付きそうな落ち込まれ方だ。
「テイマーの講座を受けさせて現実的な難しさを教えて深層探索に連れていけるまでのことを考えて保留してます」
高村がジト目でおっさんを見ながら教えてくれた。
まずテイマーとして、テイムモンスターが飼育できる環境が必要というところで躓いた。おっさんは深層探索してるので基本的にホテルかギルドの宿泊施設住みだ。
小ダンジョンで成体に出来るとはいえ、躾や戦闘訓練は地道にしっかりじっくりやらなきゃいけない。
そして、おっさんは深層探索者なので深層探索に連れていけるまで育てなきゃいけない。
結果、今はちょっと無理というわけだ。
「キュー?」
『深層探索休めば良いだけでは?』
「や、それは、ちょっと……嫌だな」
おっさんは休みたくないらしい。というかだな……
「にゃにゃ」
『未成年のご主人を放置してるやつがテイムモンスターを育てるなんて出来るはずない』
人間ですら放置なんだし、最初から無理なのだ。
「にゃー」
『ただ可愛い可愛いしたいだけのやつはペット飼っちゃ駄目なのと一緒』
世話とか諸々の費用とか知識とか必要なのだ、可愛いってだけじゃ人も動物も不幸になる。
「猫に言われてるぞ?颯人様の保護者はコイツで本当に大丈夫なのか?」
「にゃ」
『他のに比べたらちゃんとしてる』
ご主人は実の両親がアレなのでおっさんはまだまし。
「にゃぁん」
『一応気にはかけてるっぽいからまだまし、気にかけるだけだけど』
1年に1回会うくらいの叔父ポジションのおっさん。ご主人に嫌われないのはご主人がおっさんは両親よりまともだと思ってるからだ。
「うにゃ」
『まぁ、いいや』
なんか落ち込むを通り越して凹んでるし。ご主人が言わないだろうから俺がチクチク嫌味言っただけだし。
たぶんおっさんって、目的とか決めたらそれしか見えなくなるタイプで、大雑把で視野が狭いのだ。
言ってやれば気が付くけど、直ぐに忘れるとこもあるし。
分類的にはマイペース科俺様属の人間だ。因みに高村はマイペース科貴人属だし、ご主人は不憫系ゆるふわ科小市民属だ。
そして俺は猫科の雑種!
「うにゃん」
『それじゃバイバイ』
なんか別なこと考えてたけど誰も何も言わないからさっさと帰った。
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*ヤクシやマリモちゃんはドラゴンなので取得知識が最初から他のテイムモンスターより多いです、テイマーとしてミロクは特殊です。
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