第286話 高村カメラ


「にゃにゃ?」


『おっさんは置いといて、カメラなんだけど、なんか防御力上がりそうなおっさんの血液は入れとく?』


「帰って来た途端に採血されたのそれかよ!」


いや、血液はカメラとの繋がり強化の意味もあるぞ?だから高村の血液も入れる。


ただ、マー君が無駄にシールド完備なのは確実におっさんの血液の影響。


きっとお嬢様がカメラまで守備範囲を広げてくれた。


「見た目が私と神木の合の子になりそうなので入れません」


「にゃ!」


『それは嫌だな!』


変な噂が立っちゃう!しょうがないから高村のやつには犬の毛の代わりにヤクシの毛を入れよう。


たぶんそれで防御力は上がる筈。


「材料は既に揃えてますから渡しておきますね、カメラと引き換えでにゃーるBOXと魔石はお渡しします」


収納鞄からドサッと材料を出した高村、おっさんので必要な物はわかってたから、きっとお休みの日にコツコツと集めたに違いない。


おっさんが持ってきた材料の余りとかじゃないはずだ、たぶん。


「にゃぁん!」


『じゃあ今作っちゃうね!』


ストレージから俺専用錬金釜を取り出して作業開始。


その間にグレイにはヤクシのブラッシングとドール型カメラの衣装作成をお願いする。


「キュー?」


『僕の毛を使うの?』


「きっと神木正人の血液が入らないので防御力を上げたいんだと思うぞ」


グレイがヤクシに言いながら、軽くブラッシングして抜け毛を差し出してきた。


よし!ポイポイグルグルっと!


「うにゃ!」


『完成!』


グレイは何故かギルド職員の制服を作成してた。短時間で作ったとは思えない細かさだ。


「マスター、小さなシャツのボタンを作ってくれ」


「うにゃ」


『はーい』


ダンジョンで採った貝殻や木材を加工して釦を沢山作って渡す。


「完成だ、さっそく着せよう」


3頭身の高村ドール型カメラ、耳と尻尾は何故か狐っぽく見える。


「制服を着ていれば探索者ギルド関係だってわかるだろ」


成る程、考えてるなぁ。


「えー?高村だけズルくないか?俺だって装備っぽい服着せたいんだけど」


「にゃにゃ」


『高村には世話になってるからサービスする、おっさんは知らん』


もう、マリモちゃんとかが厚かましいなコイツって目で見てるし、黙っとこう?


完成した高村のドール型カメラに服を着せてから、高村に納品。


「ありがとうございます、今手元ににゃーるBOXが無いので魔石だけ先に渡します」


おぉ!下層の魔石!なんか呪い耐性のスキル付いてるけど本当にいいのか?


まぁ、言わずに貰っとくんだけどな!


「にゃー」


『にゃーるBOX楽しみだなぁ』


普通のやつかな?それともアソートタイプかな?


どちらにしても楽しみでしかないな!

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