第277話 個人的な理由


とりあえず叔父さんのネタ武器も決まったし、帰ろうかって気分だったけど高村さんが、やらなきゃいけないことはさっさと終わらせましょうとか言ってレシピ本を買いまくった。


これ、経費で落ちない高村さんの個人財産だけど良いんだろうか?


「うにゃ」


「高村さん、ミロクがゲットしたことにするのはいいけどギルドに提出した時の報酬は高村さんが受け取ってくれって、ミロクが言ってます」


「キュー?」


「ヤクシ先輩が、そもそも国で買い取れないのかってきいてますが?」


それもそうだ、高村さんより国が出すのが自然だよね。


「国を介入させるのが嫌だから私が買います。どうせ深層魔石とか魔力が高過ぎてエネルギー変換出来ずに買い取りしないんですから、ここしか使い道ないですし。介入してくる人数が増えるとバカが湧くのでなるべく秘匿したいんですよ」


私情挟みまくりだった!完全に高村さんの都合だった!


「それに鍛冶師がスキルアップすればネタ武器も増えるでしょう?笑えるじゃないですか。これを世に出さないのは勿体ない」


思ったよりも個人的な理由で買おうとしてる!


「キュー」


ヤクシなんか成る程って納得しちゃってるけど納得しちゃ駄目だよ?


「あと報酬は要らないので物でください、ミロク君の3倍大きい人形とか、便利な錬金術アイテムとか、ミロク君の作るアイテムって基本的にレア物ですし、そちらのほうが有難いです」


「にゃー」


「それなら高村さん用に沢山作るらしいです」


ギルドとかでドロップ品とか買えば高村さんレベルでも使えるアイテムが作れるし、報酬で買えばいいね!


「というわけで、まずは颯人君の家に宝箱をとりに行ってから、スタンダードダンジョンへと行きましょう。映像が欲しいだけなので私が殲滅しますね」


なんか凄くウキウキしながらセーフティハウスを出た高村さん。


何で?と思いつつも後に続いてセーフティハウスをミロクがしまってギルドから出た。


そして……


「ミロク君の猫馬車、着実に進化してますね!」


納得した。高村さんはミロクの猫馬車に乗れるからテンション高かったんだ。


「さすがミロク君作成の馬車ですね、走りが静かで揺れも殆どありません。最初の物よりかなり改造されてますね、自動車と比べても揺れが無い」


「うにゃ」


「何かスライム系を錬金したら衝撃吸収剤みたいなのが出来たそうです」


「……それ、レシピあります?」


「にゃ」


「スライムの皮各種を1枚に纏まらないかなってポイポイ入れたから覚えて無いそうです」


「後で映像を確認してみますね」



ミロクの動画って日常生活が殆どだから編集して投稿するまでにだいぶラグがある。


高村さんも見てない時は見てないし、錬金術パートは別編集だし投稿が追い付いてない。


でもミロクってたまにこっそりと錬金術してるからカメラに映ってるかな?僕がいつでもライブ配信見れるから、僕に内緒にしたい時とか隠れるんだよねぇ。


「高村、衝撃吸収剤のレシピは存在するので、あの錬金術師を中級の錬金術系ダンジョンに行かせるといいぞ」


「グレイってそんな情報持ってるの?」


「錬金術系の情報なら少しは、レシピが存在するとかなら情報にあるがレシピ自体は発見されたものくらいしか知らない」


うちの子達情報持ちすぎでは?


「成る程、戦闘用ドールを作らせて初級ダンジョンはやらせましたから、次は中級に行かせようと思ってたんですよ」


……えーと、御愁傷様です。

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