第276話 叔父さんのネタ武器


「やつが使うのはロングソード系ですからね何が良いでしょうか?あまりにも嫌がって使わないとなったら本末転倒なのでお嬢様系は避けたほうが良いのか、いや、使えれば何でも使うので逆にお嬢様系でも我慢して使いそうではあるんですよね」


高村さんって楽しい事話すとき早口になるよね。ちょっと何言ってるか良くわかんなかったや。


「にゃー」


焼き秋刀魚美味しそう。うん、美味しそうだけど付与の内容が魚群アタックなのはどう突っ込めば良いのかな?


佐藤さんに居て欲しい。いや、ツッコミし過ぎて佐藤さんが酸欠になりそうだなぁ。


「お魚シリーズはどの武器にもありますね、あまりに有りすぎて面白味に欠けます。長ネギも良いですね」


「うにゃ」


串おでんも美味しそう。ってお腹空いてるの?さっきから美味しそうばっかり言ってるけど?


「フリル日傘はロングソードのクセに傘が開くんですか?開いた傘でどう斬るんでしょう?」


ロングソード分類のくせに付与がシールドだ。叔父さんにはいらないやつだった。


というか、お嬢様系って剣のくせに防御関係の付与だ。職業でもそうだったし、ダンジョンさん的にお嬢様は防御力高めなのかな?


「キュー!」


これが良いよ!とヤクシが指差したのは魔法少女が使うようなステッキだった。


ピンクのハートに真っ赤な宝石みたいなのが嵌め込まれていて、左右に真っ白な翼を模した飾りが生えてる。ハートには小さな金の冠もついててかなりオモチャ感がある。


一応握り部分に申し訳程度の鍔が飾りとしてつけられていて、長めのロッドだけど刃の部分と柄の部分は別れている。


「ネタ武器って…叔父さんが間違えて刃の部分を握る気がしなくもないよね」


「そ、そこまでではないと……思います、たぶん」


高村さんも自信無いじゃないか。


僕の言葉に反応したのか、ドールがタブレットで答えてくれた。


ネタ武器でもちゃんと入る鞘付きです。とついでに見本の鞘も見せてくれたんだけど、凄く普通の鞘だった。


またダンジョンの不思議収納技術出たよ。


宝箱といい錬金釜といい収納鞄でもないのに質量保存の法則を歪めないで欲しい。


「これなら大丈夫ですね!付与もハートレインとかいう攻撃系ですし、これにしましょう!」


高村さんは早速叔父さんに材料調達依頼を出したらしい。高村さん的に叔父さんでも集め終わるのに時間がかかるだろうとのこと。


「うにゃにゃー?」


いや、案外ダンジョンさんが早く魔法少女おっさんを見たくてすぐ終わるのでは?


ミロクがマリモちゃんを見ながら言ったんだけど……


『楽しみー!』


このウッキウキなマリモちゃんをみたら、そう思うのも仕方ないし、僕だって同意する。

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