第272話 双剣いろいろ


普通のシンプルな物からゴテゴテ飾りが付いてる物、そしてあきらかにネタ枠の物があった。


デザイン案というか、効果付きの物とかも有るからじっくり見ないといけないやつだ。


「ひっかくスキル付与の孫の手を両手に持って構えるとか……効果を取るか見た目を取るか悩む」


「にゃー」


そんなもん悩むな。ってミロクに前足でテシテシされた。ツッコミ可愛い。


孫の手が一般的な竹の見た目のやつと、細い棒の先に猫の前足のプラスチックっぽいのがくっついたやつとあるんだよね。


「うにゃ」


ネタ枠で選ぶな。って言われてもさ、目に入ってくるのはやっぱり奇抜なやつなんだよね。


太刀魚型(飛刃)とか、みたらし団子型(斬撃強化)とか、猫じゃらし型(二連撃)とか、フランスパン型(炎刃)もある。


ネタ枠の付与スキルが優秀なんだけど、どうしよう?


シンプルな普通の双剣たちは、攻撃力+15とか敏捷強化とか付与も普通……いや、優秀だけどね!?ダンジョンの宝箱から出てきたら大当たりなやつだから!


でもネタ枠!これ見ちゃうとさぁ!


「にゃ、にゃー」


ご主人、ネタ枠は材料もそれなり。とミロクに言われて思い出した。


そういえば材料は持ち込みだった!


えーと……魔石(中ボス)はある、魔鉱石はこの前ミロクが掘り当ててた。基本はこれくらいで、シンプルなやつはどれも入手が難しくない材料だ。


で、ネタ枠は?


「ひっかくスキル持ちの爪はある、オークナイトの魔石もある、オークナイトの剣は無いけど手には入る、テイムモンスター用猫じゃらし2本は普通に売ってる、炎の魔宝石とは?」


「にゃー」


魔宝石は宝石と魔石の合成物。ということはミロクが作れるよね?


「あれ?全部用意出来るのでは?」


そもそも初級から中級クラスの武器だから、材料がそんな難しいわけが無いんだよね。


「……うにゃ」


……ミロクの幸運が戦犯だった。うん、まぁ、その通りだよ?殆どミロクのお陰で手に入る物だもんね。


「にゃ、にゃぁん?」


でもご主人、ネタ武器装備するの恥ずかしくない?


「ミロク、優秀な効果付き武器を前に恥ずかしいとか言ってられないんだよ?」


たとえ見た目がアレでも効果が良いなら使うべきなんだ。


「うにゃ」


ダンジョンガチ勢なめてた。ってどういうことかな?


「うにゃ、にゃーふにゃ?」


ご主人、今までネタ武器出てきたこと無いから騒ぎになるしやめよう?


……そういえばネタ武器とか聞いたこと無いなぁ。


「そう、だね。このセーフティハウスの中だけの武器屋だし、ここの武器を売るとかなったら許可証とか面倒だし、作って売るにしても材料を用意してもらわないとだし、中に入ってもらわないといけないし」


武器の効果に対しての日常のデメリットが大きすぎた。


「シンプルなやつから選ぼう」


「にゃ」


それがいい。


まぁ、それはそれとしてシンプルって言っても80以上有るんだけどね。

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