第271話 武器屋
ミロクが期待でキラキラした目で見てくるから、僕は双剣を頼むことにした。
いや、今使ってるのでも十分なんだよ?なんだけど、予備はあっても良いかな?とも思ってて……
「にゃ」
このパネルで必要な生産部屋を呼び出すの。
部屋の中は受付カウンターがあって、その内側にまた部屋がある作りだった。生産してる部屋は見せない作りなんだろう。
パネルというかタブレットで、呼び出す職人、作成か修理、既製品かオーダーメイドなど選択するようだ。
鍛冶で作成……
「既製品を見てからオーダーメイドするか決めたいなぁ」
「うにゃ」
なら既製品を選べばいい。と言われたので既製品を選択して呼び出し。
呼び出しボタンを押したら、カウンターの後ろ、扉のついた壁がスライドした。
「うえぇっ!?壁が動いた!」
「にゃ」
うんうんビックリするよな。って知ってたなら教えて欲しかった。
壁が消えて現れたのは、武器屋だった。
「はぇー……ファンタジー感あるぅ」
日本で武器売ってる所ってガッチガチに固定されてケースと鍵付きで、試しに持って振るときは専用の部屋に行かなきゃいけないとか厳重なんだけど……
この武器屋、丸出しだ。並べてあるやつはまだ良いんだけど、なんか樽に雑然と突っ込まれてる剣とかは、あれで良いのだろうか?
「うにゃ」
行くぞご主人。ってミロクが……いつの間にかカウンターが消えてやがる!?
「なんかもう疲れたよ…」
「にゃ」
頑張れ。ってテキトーな感じに言われた。ミロクの中ではもう既に驚き済みだから、そうだねー疲れるよねーって気分なんだろう。
それにしても、もっとリアクション欲しかったよ。
「あ、ナイフもある……投げナイフとか欲しかったんだよね」
「うにゃ?」
ご主人魔法もなかなか使わないのにナイフ投げる?と言われたので自問してみた。
「使わないかも」
「フンッ」
だよね。って鼻ふんで言われちゃった。
でも、言われて気が付いたけど、僕ってそんな脳筋な戦い方してるかなぁ?遠い敵はヤクシとかが倒してるから僕に当たらないだけでは?
……とりあえず斬りかかってみるという考えがあるのは否定しない。これ、叔父さん教育だ。
斬ってみてから考えろ!が叔父さんによる訓練中に言われてたことだった。そしてそれに気が付いた高村さんに叔父さんが怒られるまでがセット。
うん、なかなか染み付いたものは消えないよね。
「にゃぁー」
ご主人双剣はここら辺。
ミロクに言われて見てみたけど、今使ってるくらいか、それよりは下のグレードのやつだった。
「うーん、これかそれ以上のやつが欲しいんだよね」
「うにゃ」
オーダーメイドするか。って軽くミロクが言って、武器屋カウンターに居るドールの所に移動した。
「にゃ」
ご主人双剣出して。と言われたので出してカウンターに置く。
「にゃにゃにゃぁん」
ご主人のレベルに合わせてこの双剣より上のやつ作りたい。
ミロクがそう言ったら、ドールが双剣を持って隅から隅まで観察した。
そして、双剣をカウンターに戻したら、タブレットを出してきて……
「デザインをお選びになる、もしくはデザイン画をご提出ください?」
画面を見ると、デザイン案の件数が200とか有るんだけど……選ばなきゃダメかな?
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