いやぁ?

第269話 ご主人からお知らせ


イベント事に興味がなければ日常と変わらない冬。


今年はグレイが頑張ってくれたからクリスマスにチキンとケーキが出たし、大晦日に年越し蕎麦を食べて、お節料理まであった。


1年が過ぎたのでミロクも2歳ということになった。お祝い事に興味が無かったしミロクを拾ってからも忙しくて日付とか覚えてないんだよね。


まぁ、だいたい2歳。


「にゃぁん」


2歳になったから立派な成猫だ。というミロクは確かに1歳の時に比べて体がしっかりしてる。


「うんうん、華奢な感じが無くなったね」


太ってるのとは違って、大人になった感があるよね。


たぶんミロクが自分を詳細鑑定すれば誕生日とかわかるんだろうけど、やらないんだよね。


誕生日は祝うものって考えはあるのに、人間限定の考えだと思ってるんだ。確かに動物は誕生日祝わないもんね。



「そんなミロクにお知らせです」


「うにゃ?」


首を傾げてなぁに?と可愛く聞いてくるミロクには残念なお知らせなんだけど……


「ペット探索者の健康診断が義務付けられました!」


「……ニィ」


凄く小さく嫌だって呟いてる、頭抱えて可愛いなぁ。


「レベルアップで知能が上がれば言葉を理解出来るでしょ?採血も検尿もレントゲンやCT?ってやつもやるらしいよ。出来れば脳波ってやつもとりたいとかなんとか」



CTはたぶんドラマとかで出てくる輪切り画像だよね、脳波は頭に色々付けるやつ。


科学捜査のドラマとかで波形がどうのこうので記憶してるかしてないかとか調べてたやつだよね。


「にゃぁん!」


なぁんでぇっ!って僕に言われてもね?人間のデータはあるから動物のデータも欲しいだけじゃないかな?


「人間だって探索者免許もらったら、市町村での検診は受けなきゃだから」


一応、3年間ダンジョンに入らなかったら免除になるけど、初級ダンジョンにストレス発散目的で入る人のほうが多い。


僕だって学校でやるんだよ?人間のデータは揃ってるっぽいから採血と検尿とレントゲンくらいだけど。


「僕らは学校で体力測定までしなきゃなんだから、まだましだよ」


高村さんから聞いた話だけど、動物の体力測定もやろうって案も出たのを高村さんが却下したらしい。


レベルアップしてない状態で人間より身体能力が高い動物の体力測定なんて無謀ってことらしい。


それに、大半の動物は魔石を摂取してるので魔石の種類によってステータス変動が起こってるから意味がないとか……


僕?僕はミロクに満遍なく食べさせられてます。


防御力が紙で良いのはゲームの中だけ!とか言って防御力がタンク並みの数値だよ。


「うにゃ…」


また穴に棒を入れられるのか…って黄昏てるけど、採血とかじゃなくてソレが嫌なんだね。


「まぁ、3月の話だから……それまでにペット探索者の言葉の理解とか、躾とかしっかりやってね?ってお知らせが来たんだよね」


「うにゃ、にゃぁん」


躾とか、興奮したら無意味だと思う。


それはちょっと思ったんだよね、ミロクでさえテンション上がって部屋を走り回ったりするのに、他のペットたちは大丈夫なんだろうか?



「まぁ、困るのは検査しなきゃいけない獣医さんとか政府の人たちだから、良いんじゃない?」


「にゃぁん」


中止になんないかなぁって、ミロクが願ったら中止になりそうだから怖いなぁ。

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