第267話 奇襲10階中ボス


10階の中ボス部屋は廃墟風になっていて、中央に黒豹っぽいのが居た。


ベースは黒豹だけどサーベルタイガーみたいな牙あるし、何より爪は鋭いのが出っぱなしだから猫科といって良いのか不明。


まぁ、モンスターなので猫科とか関係無いけど。


それにしても……


「にゃ!」


カッコいい!


「は?」


「うにゃん!」


カッコいい猫だ!


キリッとしてシュッとしなやかで凛々しいし、真っ黒に金色の目がカッコいい!前世動物園で見た豹くらいの大きさだけど野生の凄みを感じるな!


部屋は暗くて壁に松明付いてるのも、人間相手だと暗闇に紛れて奇襲を仕掛けられるからだし、廃墟風なのも上とか壁とかで姿が隠せるからだな!


「にゃ!ふにゃっ」


ハッ!猫対決だっ。


「キュ」


猫ではない。ってヤクシに突っ込まれたけど、そんなことは俺もわかっている。


でも猫科ベースのモンスターってなかなか見ないから感動したんだ。


「そうこうしてるうちにアイツ消えたぞ」


「うにゃにゃ」


最初に姿見せてくれたことが既に優しさ。


姿見せずに襲ってきたほうがモンスターにとっては有利なのだ、これは中ボス部屋だからこその仕様だ。


『それはそうだけどーマリモちゃんたちはー気配察知がまだ雑魚いのでーお任せしますー』


「うにゃ」


マリモちゃん左。


黒豹っぽいのが前足振り上げてるよ?


『ちょ!?あっぶなー!』


俺の声で黒豹っぽいのに気が付いたマリモちゃんは緊急回避、失敗した黒豹っぽいのはそのまま暗がりに隠れた。


どうやら俺がギリギリ察知できるようだ。


俺だっていつもなら耳とか匂いとかで気が付くし、察知スキル育って無いのだ。なんなら今日爆上がりした感じ。


「全然わからないんだが?ちょっと先輩たちと俺は固まって防御固めるか」


「キュー」


足手まといっぽいから任せる。とヤクシもマリモちゃんもグレイと背中合わせになってシールドを展開した。


となるとですね、防御してない俺を狙うわけでして……


「うにゃ!」


そこだ!


背後の気配を察知して、ひっかくの魔力爪を伸ばして黒豹っぽいやつの爪を受け…止められない!



体長差考えろ!でかくなるの忘れてた!爪を防ぎはしたけど、勢い良く吹っ飛ばされてしまった!


こう、払い除けました!みたいにポーンと飛ばされたな!


だがしかし!飛ばされながら体勢を整えて壁に着地、そのまま魔力板を作り出してピンボールのように魔力板を蹴りながら黒豹っぽいやつに肉薄する!


そして払い除けた体勢から戻る黒豹っぽいやつの頭上から、虎サイズまで巨大化しつつひっかく!


「シャーッ!」


やんのかこるぁぁっ!


通りすぎつつ体勢を変え、着地と同時に黒豹っぽいやつの方を向き、仁王立ちしてシャーをかましてやった!



黒豹っぽいのは塵となって消えた。


「うにゃ?」


あれぇ?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る