第265話 仕事が増えるだけだ

俺はあることに気が付いてしまったので、効率よりも確実性を取った。


スピード重視で奇襲してるとコボルトアサシン以外のモンスターに気が付かれてトレインしちゃうのだ。つまり魔石が増えちゃう!


鑑定するのは結局俺なので、コボルトアサシンのみを倒すべく、奇襲している。俺は売る時のことも考えられる猫なので、おっさんと同じ迷惑はかけない。


それにだ、奇襲を仕掛けてくるモンスターに逆に奇襲を仕掛けるなんて、とてもスリリング。


だって奴等、奇襲するためにいち早く探索者を察知してくるんだもの。俺だって気を抜いたら先に察知されて奇襲を受けるんだから、流石に中級ダンジョンってとこだな。


だがしかし!建物の隙間に隠れるのが上手いのはお前らだけじゃねぇ!脱走して外で隠れるにゃんこを見つけるのは至難の技!


熟練のペット探偵じゃなきゃ見逃しちゃうね!なのだ。


そもそもコボルトアサシンは俺よりデカイ。普通に10歳くらいの人間サイズだ。つまり潜める隙間は俺のほうが多い!


察知されないくらいの隠密使えるなら普通のかくれんぼになるから、俺は負けない。


というわけで、速度は落ちたがコボルトアサシンだけを倒していき、各階層の担当エリアが終わった。


今は9階の10階に行く階段前で魔石の鑑定中だ。


消音魔石は数が少ない、逆に察知や隠密が多い。まぁ、隠密で音や匂いも抑えられるから仕方ない。逆になんで消音スキルが一番高いモンスター居るの?


そんなに動きが騒がしいんだろうか?でも居るよな、ゆっくり動いてるのになんか動きがうるさいやつ。足音とかわざとか?ってくらい響くやつとか。


うちの近所の野良猫も、なんか着地がドタッて感じで、よくボス猫に怒られてるやつ居る。生ゴミ漁りに行ってて、音がしたら人間に気付かれるだろうが!って猫パンチされてる。


ダンジョンで食べ物は確保できてるけど、それはそれとして生ゴミ漁りに行ってたまにご馳走ゲットするのが野良猫の流儀とかわからんこと言ってた。


そのために道路渡って飲食店がある場所まで遠征に行くんだから、やっぱり日本だと猫も食い物に拘るんだなって思ったよ。


………というか、皆遅くない?そろそろ鑑定終わるけど?仕分けまでしちゃったけど?


消音魔石は8個あったからとりあえず人数分はあるし、もう良いかなって思ってるんだよね。


とりあえず、結界石使ってクッション出してお昼寝して待っとこう。

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