第261話 コボルトチームは理想形
コボルトチームは召喚じゃなくて最初から出てるタイプだった。
因みにコボルトはそれぞれモチーフになってる犬がいるんだが、それをちょっと凶悪にした感じの姿である。
通常、二足歩行なので骨格は人に近いようだが、四足歩行で高速に動き回るという情報もあるので……変形するのか関節が特殊なのか不明だ。
モンスターは塵になって消えるので解剖とかは出来ないし、流石にテイムモンスターを解剖するのは非人道的すぎる……なおやろうとした奴は捕まって特区の出入り禁止エリアに収容されてるとか。
ダンジョンが出来てからの歴史をネットで漁ってたら、そんな記事が出てきたのだ。
転生初期に感じた解剖されるかもしれない恐怖は間違ってなかった。
『ワオォォォンッ!』
先手、コボルトリーダーの咆哮で麻痺や恐怖等のデバフ攻撃。でも俺たちには効かない!
「フシャー!」
なんじゃわれぇっ!
俺のはただの威嚇だ。シャーしなきゃな気分だった。
特に尻尾が膨らんだりもしてない、気に入らないからシャーした感じのシャーだ。
コボルトリーダーの咆哮に合わせてアタッカータイプ2体が距離を詰め、ヒーラータイプがバフを入れ、マジックタイプが魔法の詠唱っぽいものを始めた。
因みにコボルトリーダーは後衛組を守るタンクタイプ。
「キュー」
速いけど猫程じゃないね。と近所の猫と遊んでるヤクシが言ったが……コボルトは四足歩行したときが一番速いらしいよ?
ヤクシはバフ要る?とか首を傾げつつも俺たちに防御力アップバフをかける。
「ああいうタンクもあるんだな…」
まぁ、タンクって後衛に攻撃行かないように守ってる印象だよな。しかし、うちのタンクは圧倒的攻撃型で良いのだ。
『ドラゴンテイルー』
マリモちゃんはコボルトアタッカーの剣を尻尾で受けて弾きとばして……
「にゃ!?うにゃ!」
剣を尻尾で受け!?危ないでしょ!
『……危ないとはー?』
「……にゃ」
………そういえば危なくなかった。
そうだった、柔らかい猫尻尾じゃなくて硬めのドラゴンテイルだった。
「にゃ!?」
ちょっ!?
いきなりナイフ飛んできたんだけど!思わず叩き落としたけど、魔力を纏って無かったら前足が切れてたじゃないか!
くそぅ、うっかり忘れてたけどコボルトアサシンめぇ……
マリモちゃんはアタッカー1を殴ってるし、グレイはアタッカー2をいなしながら魔法を弾く練習してるし、ヤクシは適度に後衛狙いでタンクの足止めとかしてるし。
手抜きではないが、スキルというか技術面の向上を目指すなら皆は適正レベルなこのダンジョンが良い感じらしい。
そこまで脆くもなく、強くもない感じだ。いや、俺はレベルが上だからサッと寄って猫パンチでオッケーなんだぞ?みんなのためにやらないだけで、俺だけ何もしてない訳じゃないんだからな!
ほら、ちゃんとコボルトアサシンの的になるって仕事が……そう!俺はじゃらしで鍛えた反射神経と動体視力がアサシン系の奇襲でも役に立つってことを確かめてるのだ!
役に立ってるからご主人にはじゃらしで遊ぶ時間を増やしてもらわねば!
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