第259話 ぴょんぴょん行く
不自然に大小様々な岩が転がる洞窟型なので、岩のかげからモンスター出てきたりして気配察知が無かったらお化け屋敷みたいで楽しめたはず。
俺は岩の上をぴょんぴょん渡りながら、時々飛んでくる鉄砲雀を叩き落としているだけなんだが……グレイが大変そうだ。
因みに鉄砲雀は名前の通り回転しながらクチバシを突き刺しにくる雀だ。俺はドリル雀でも良いんじゃないかと思う。
まぁサイズは普通の雀サイズなので人間なら小さくて苦労しそうなモンスターだ。ただ防御力はお察しなので、はたき落とすだけで倒せる。
「キュー」
階段あったよー。と俺と同様に飽き始めたヤクシが階段を発見。
ギルド情報だけど、1階~5階は奇襲&物量&小型モンスターの階層なので範囲魔法での殲滅が推奨されている。
5階中ボスではコボルトチームが出てきて、ここからコボルトアサシンも登場するのだ。
今までの魔石を見たけど、消音スキル魔石の狙い目はやっぱりコボルトアサシンになりそうだ。
「……ここ、歩きにくい」
「にゃ」
浮けば。
こいつ飛べるのに、律儀に盾構えるために地面に踏ん張るから地形に足を取られるのだ。
「浮いたら踏ん張りが……」
『こういうときのー魔力板でしょー』
「あー……」
グレイって、オールラウンダーとはいえ元はフェアリー系ドールなんだし、魔力操作は出来るはず。
グレイは浮きながら踏ん張るを覚えた!
「うにゃぁ」
ちゃっちゃか5階に行きたいし、奇襲をスルー出来るくらい速く行こう。
奇襲されるタイミングを作らなきゃ良いのだ。
「キュー」
賛成。
「了解」
『はーい』
というわけで、5階まで奇襲を回避し、障害を取り除き、モンスターを無視しながら駆け抜けた。
岩から岩へぴょんぴょんしただけだけど、アスレチックみたいで面白かった。
「にゃ」
これが流行りのパルクール。
「キュー?」
どちらかといえば忍者?ってあれか?杭から杭に跳び移るやつ?
「そういえばマスターは飛べなかったな」
グレイの言う通り、飛べないのは俺だけなので、俺は地道にぴょんぴょんするのだ。
………こういう時は失敗しないのに家でたまに跳び移りが失敗するのはなんでたろう?
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