第257話 奇襲もわかれば怖くない


リュックはちょっとだけ広くなって、俺とヤクシとマリモちゃんが寝転べるようになった。見た目は変わって無いから空間魔法系の何かが作用していると思われ。


いざ準備万端でセカンドドアから出てグレイが地図見ながら目的のダンジョンまで移動する。


飛べば速いが目立つので、グレイには徒歩で頑張ってもらうが、まぁ疲れないから大丈夫だろ。


すっかり暇して寝てたら、ようやく到着したとグレイに起こされた。


「にゃぁん」


では、消音の魔石が出るまで終われません開始。


「いや、16時には切り上げるぞ」


「キュー!」


それなんか聞いたことある!


『良くわからないネタはー控えてもろてー』


「うにゃ」


やれやれ。


ネタのわからない奴等にやれやれしながら中に入った。


気配察知さんと視覚チートなユニークスキルさんの出番だぜ!


「にゃにゃ?」


じゃあモンスターは気が付いた奴が倒すってことでよろし?


一応、確認してみたんだが……めっちゃ反対された。


俺の独り占めになるから駄目だって。


まぁこいつら気配察知のスキルを手に入れたのが遅かったので、俺のスキルレベルより低いけど、そんな反対するぅ?


「自分のユニークスキルの凄さをもう少し自覚しろ」


「キュー?」


気配察知より先に見て発見出来るよね?


『あとー耳の良さとかー総合的に察知早いよねー?』


……それ言われたら、そうかもしれない。


というわけで、俺たちの防御力なら奇襲を受けても問題無いから察知したら全員に教えて、襲われた奴が対処ということになった。


「にゃぁん」


じゃあ言うけどそこらにワラワラ居る。


言った瞬間にコウモリなのか蜘蛛なのかわからんモンスターが数十匹落ちてきた。


モンスターの名前はクモバット、糸吐きと体当たり、吸血等の攻撃スキルがある。


確認出来てるドロップ品はコウモリの皮翼で、使い道が少なく買い取り金額も低い。そのくせ数が多くて嵩張るから収納鞄が無い探索者は拾わないらしい。


「うにゃ!」


ビリビリ!


これは全員襲われたから俺も攻撃して良いんだ!数が居るから雷の範囲魔法で攻撃したら全部もらっちゃっただけなんだ!


「マスター?」


「キュー?」


なんで?


『審議ー!』


「にゃぁん!」


まだまだ沢山隠れてるから襲われに行くんだもーん!


「待て!」


「キュー!」


僕も倒すー!


『お猫様出てますけどー!』


…お猫様が出るってなんだ。正真正銘猫だぞ?引っ込んでなんか無いが?


とりあえず、奇襲のための囮である徘徊モンスターでも倒してれば良いのでは?降って湧いた奴は俺が叩き潰す!


もぐら叩きだ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る