第244話 中、遠距離武器は鬼門
「うにゃ」
とりあえず間合いとか覚えとけば良いよ。と言いながら、今度は槍をくるくる回して演舞のように動き回る。
猫なのに武術の引き出し多すぎる!ついでに職業ついてる人より強い!
「あいたっ!ちょ、待って!」
「うにゃ」
よく見ろご主人。って言われてもね!
「動きが変わりすぎなんよなー」
「ついていけてる颯人様も大概では?」
「これ先生たちに見られたらミロクが特別講師に呼ばれそうだよなー」
「うにゃにゃ」
「スキル使ってないからモンスター戦闘にはあまり役立たないぞ。らしい」
確かに対人戦闘な感じだね!叔父さんは剣しか使わないから他の武器での対人特化ってこんなやりにくいんだね!でも僕が戦うのモンスター戦闘を学んでる学生なんだけどな!
言ってもどうにもならないから心の中で叫ぶ。
「にゃぁ?」
次は鞭やっとく?
「鞭も使えるの!?」
「にゃぁ」
ぼちぼち。ってどんだけ?
「うにゃ」
ご主人、この鞭伸びるから。と言われたけど、僕はいったい何に注意すれば良いのだろう?
なんか、鞭が生き物みたいにうねりながら迫っ…伸びたっ!
「っ!?」
足に巻き付いて引っ張られて転んでしまった。
「えぇ…鞭ヤバァ」
三井君に同意。
「うにゃ」
縄跳びするつもりだったのにご主人が避けなかったんだもん。ってミロクが気まずそうにしてる。
え、つまり足払いを仕掛けたってこと?速すぎて見えなかったんだけど?
「というか当たったのに痛くないの無駄に凄いね」
尻餅ついたお尻の方が痛いよ。
「にゃぁ」
足に巻き付けて一本釣りしたら地面に激突するし、気をつけて。とミロクに注意されてしまったけど、人を一本釣り出来るような学生はたぶんいないよ?
「うにゃ」
鞭はマリモちゃんが得意なんだけどなぁってミロクが呟いて気がついたけど、植物魔法と思えばいいのか!
「にゃ!」
下手くそだけど頑張る!って言いながら地面に鞭を打ち付けるのやめない?バシッとかビチィッとかすんごい音してるよ?
再開して、どうにかこうにか弾けるようにはなってきたけど、縦横無尽ってこのことかってくらい鞭がヤバかった。
「にゃん!」
じゃらしみたいで楽しいよな!というミロクの意見には同意出来ない。
「あ、あと30分で使用時間終わるぞ!」
君が神か!……いや、ミロクを呼んだの三井君だった。善意100%の悪魔かもしれない。
「うにゃ」
じゃあ最後に弓やっとこう。って弓を構えたミロク。
「にゃん!」
矢は当たると液体になるやつだから痛くないぞ!って、またよくわからないものを錬金してぇ……
「さすがに遠距離武器は接近されたら終わりなんじゃない?」
なんて……言ってた30分前の自分を殴りたい。
そもそも近寄らせてもらえないし、行けたと思ったら弓で突き繰り出して来るの、ホントに学生レベルかな?
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