第241話 私情だった。
とりあえず仮面は買い取って貰えたし、ご主人の安全対策も相談?した。
「うにゃ?」
というか、特区のヤバい人達のやってること犯罪では?
「そうなんですけどね、政府に対して無視出来ない影響力を持った要人が研究者の保護に熱心なんですよ」
高村、ボソッとあいつら程度ならまともに優秀なのがゴロゴロ居るんですけどね…とか呟いてる。
絶対に高村が率先してギルドで囲いこんでるんだ!あの錬金術師さんとかがそうなんだ!
「まぁそのうち特区も縮小されていく予定ですから」
……それ、その要人がおなくなりになるとかそういう感じ?あ、いいです。知らなくていいです。
好奇心は猫を殺しちゃうので、俺は無関心でいるのだ。
「というより高村は颯人様の情報を遮断してたんだな」
グレイはそっちが気になったようだ。
「はい、推しを守ることにも繋がりますし、颯人君は小さな頃から知ってる子ですし……何よりあの2人が嫌いなんですよね」
うむ、私情でしかなかったな。ギルドの決定とかでもなく高村の独断っぽいし。
でも、お偉いさんたちは目をそらしたままこちらを見ない。
もしかして聞いてなかったことにする気だろうか?聞いてないふりが下手くそ過ぎて可哀想だ。
「なるほど、これはやはり颯人様には内緒にしていた方が良いんだよな?人間の感情的に」
グレイが学習してる!そうだよな、ご主人にわざわざ両親のこと思い出させて悩ませる必要とか無いもんな!内緒にするぞ!
「内緒でお願いします」
「キュキュー?」
というより、ご主人が学校の代表に選ばれる前提で話してるけど上級生も居るんだから可能性は低いでしょ?
「うにゃぁん!」
甘いぞヤクシ、ご主人のお友達の三井がご主人を特訓させないはずがない!
『ついでにーこの前ー人型モンスターでー対人戦練習したからねー』
俺達の会話をグレイが高村に翻訳したらしく、高村が微妙そうな顔で話しに入ってきた。
「颯人君は神木に戦闘を教わったので対人の方が強いんですよ」
そういや剣はおっさんに教わったとか言ってたな……つまり、おっさんと打ち合い稽古とかしてたのか?
あの強さに全フリしました系のおっさんと?
「確か颯人君も言ってませんでしたか?無意識に反撃してしまうとか……そういうレベルで鍛えちゃったんですよ」
言ってた!ダンジョン入ってから調整出来てきたとか言ってた!
「昔と言えば昔のことなので颯人君も色々あって訓練サボってましたけど、下地はしっかりあるんです」
祖父母が亡くなったり、おっさんのお陰で一人暮らし出来るようになったり、俺を拾って育てたりと、忙しかったらしい。
「キュー」
それじゃあ代表になっちゃいそうだね。とヤクシも納得した。
「…………うにゃにゃぁ?」
………そういえば日本の法律だと、ペットは所有物扱いだけど、ご主人の所有物として俺は使えるんだろうか?
「やめろ?」
グレイに止められて、翻訳を聞いた高村やお偉いさんたちにも止められた。
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