第238話 常に進化せねば!
中ボスを撃破したので急いでダンジョンを出た。さっさとセカンドドアを通って家に帰るのだ。
もう薄暗くなっていたので急いだけど、家に帰ってみるとご主人はまだ帰って無かった。
……寒くなると暗くなるのが早くなるもんな。
「時間見て無かったな」
「キュー」
それよりマスター、高村に連絡しなきゃ。ヤクシに言われたので、高村にメールしとく。
今日は遅いし、関係する偉い人も居た方が良さげだから予定組んでくれたら売りに行くということと、簡単にだが鑑定結果も載せといた。
説明材料はあった方が良いだろうからな。
そしたら直ぐに明日の10時にお願いしますと連絡が来た。
「うにゃ…」
はやぁ…
ついでに鑑定書の作成依頼とテンプレートも送られて来たので、売るやつをじゃんじゃか入力しとく。
それが終わればいよいよ錬金釜カスタマイズのお時間だ!
本を読んでみたらオールラウンドにレベルアップさせるか、特化させるかによって部品が違うらしい。
ドール特化とか薬特化とかアイテム特化とか付与特化とか色々ある。俺は勿論オールラウンド型だ。
因みに、錬金釜のカスタマイズはしなくても問題無いが、した方が成功率が上がるらしい。あとデザインとかも変えられるので部品はそれこそ星の数ほどある。
本には基本的なものが載ってるだけで、自分の感性で釜をデコって自分だけのオリジナル錬金釜をゲットしよう!と書いてあった。
なんだろう?なんか見たことあるような煽り文句だよな。
とりあえずドロップアイテムとか拾ったアイテムとかを材料にしてカスタム部品を作成。
今の釜をそのままレベルアップさせる感じで部品を揃えて、釜に合成だ!
「うにゃ!」
俺の錬金釜出来た!
艶やかなオフホワイト塗装になり、俺のお座りシルエットが刻印されて、3ヶ所設置された肉球マークは色つき魔石になってるのだ。この色は元々のゲーミングラメが魔石に集約されてる感じ。
ゲーミング魔石肉球は、肉球の可愛さが死んでる。
「マスターは釜をカスタマイズする必要あったのか?」
「キュー?」
カスタム素材の無駄では?ってヤクシが酷いこと言うんだが……
「うにゃ」
配信者なんだから個性出さなきゃ。
俺はちゃんとエンタメとかわかってるからな!専用の道具とかワンポイントマークとかグッズとか大事なんだぞ!
そのうちミロクスタンプとかアイコンとか販売するんだ。
「猫の時点で個性ありまくりなのでは?」
「うにゃ」
猫だけを売りにしたら埋もれるかもしれないだろ。
マリモちゃんは既に擬態して我関せずだけど、グレイもヤクシも、何言ってんだコイツ?って目で見てくる。
俺、そんな変なこと言って無いよな?
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