第237話 中ボス撃破とラック値

今まで弱体化ギミックを作動させたことはないようだ、鍵が見つからないため未検証となっていた。


うん、まぁ、部屋をひっくり返す勢いで探さないと見つからないと思うので、それは良いんだ。


ただ、普通の中ボスだと清掃員ドールと獣型ドール3体にインプっぽいの2体で1チームとして、4チームが居るらしい。


強さはそれなりなので中級ダンジョンの5階中ボスとしては妥当な感じらしい。



それが、弱体化ギミックを使えば1チームだけになるのだ!中ボスとは?って感じになるのだ!


セオリー通りに後衛のインプっぽいのを倒し、獣型ドールも倒し、清掃員ドールも倒し………弱体化ギミックいらなかったのでは?


「うにゃぁ」


残念な感じだった。


「キュー」


それより宝箱開けよ。うん、ヤクシは何気に宝箱好きよな?


ドロップ品はグレイとマリモちゃんが拾ってくれてるので、ヤクシは宝箱前にスタンバイ。


幸運な俺が開けるのを待っている……これ、サボりを注意した方が良いんだろうか?マリモちゃんたちが何も言わないから良いのか?



まぁ良いんだろう、では…宝箱オープン!



「にゃぁん!」


よっしゃ勝った!


何に勝ったって?勝ち負け関係無いけど、探しても見つからなかったレシピが出てきたら勝った気分になったんだ。


宝箱から出たのはレシピ本で、題名が便利な液薬集なのだ。


つまり!浄化薬も載ってる可能性大!お金ガッポガッポだ!


ん?もう一冊ある……オリジナル錬金釜を作ろう!ってなんか趣味の手芸本みたいな本があった。


ペラペラ捲って中身を確認してみたら、普通に錬金釜のカスタマイズについての本だった。


今日拾ったカスタム部品の作り方とか、それを使った釜のカスタマイズの仕方とかが書いてあるけど……釜のカスタマイズの仕方ってダンジョンで拾った部品を錬金術師が試行錯誤して発見しちゃってるんだよな。


まぁカスタム部品はダンジョンで拾ったやつしか無くて、自分たちで作れはしなかったから役に立つは立つ。


「これはまた、今までの探索者たちのラック値がヤバいのか、マスターが贔屓されてるだけなのかわからないな」


いつの間にか来ていたグレイが呟いたけど、俺が贔屓されてるというか、俺のラック値が高いからだろ?


「うにゃ」


ラック値上げないのが悪い。


「キュー?」


ラック値の上げかたわかんないよ?


「うにゃ」


ラック値上げるアクセサリーあるもん。


俺がご主人にプレゼントして、ご主人のドロップ率はちょっと高めなのだ。


『ラック値はーラッキー系モンスターの魔石でー上がるよねー』


マリモちゃんの言うラッキー系とは稀にしか発見報告が無いモンスターで、ラッキーマウスやラッキーカワウソ等種類が豊富だ。


特徴として、体の一部に星マークがついてるモンスターがラッキー系だ。


でもそうなると、ダンジョンさんがラック値は楽に上げさせてやらねぇ!と制限してるのがまるわかりだ。


やっぱダンジョン探索で重要な数値なんだなラックって。


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