第216話 高村無双
今、俺は高村が探索者達から雷帝と恐れられてる一因を味わってる。
「知ってますか?こういう召喚系モンスターって下っ端を一斉に倒すと再度召喚を始めるんですよ」
にこやかにそう言って、ゴブリンだけを一斉に倒した。
雷が横に枝分かれしてゴブリンだけを貫いたんだが?ナニソレカッコいい。俺もやりたい!
え?眩しく無かったのかって?俺は学習する猫なので、ユニークスキルで明暗調節を瞬時に行えるようにしてる。
「うにゃ」
「そうだな、召喚された端から倒してる、所謂リスキルってやつだ」
召喚時無敵があるし、魔石のために召喚させてるんだけど、召喚が終わった瞬間倒してる。
やっぱりダンジョンさんが、というかゴブリンが可哀想に思えてくるやつだ。
高村は気にした様子もなく、魔石やドロップ品を回収するクロユリに配慮するわけでもなく、淡々とゴブリンを倒してる。
魔石はセーフティハウスに使うけど、ドロップ品どうするんだろ?とか思ってたら、高村は錬金術師さんに向かって言った。
「この数のドロップ品なんて持って帰ったら職員がキレますから、魔石以外は差し上げます」
「むぐぅうっ!」
高村、それは要らないものを押し付けてるだけでは?
錬金術師さん、めっちゃ首を横に振ってるけど?
だってゴブリンのドロップ品ってだいたいが汚い腰布で、たまに角やら爪やらが出るけど、正直言って使い道は無い。
角や爪なら金属と合成して武器を作ればゴブリン特攻武器が出きるけど、ゴブリンのための武器とか要らないし。
「キュー」
ドロップ品が要らないならマスターは倒しちゃダメだよね。とヤクシは言うが、元々俺が手を出せるような隙は高村には無いぞ。
『殲滅力ならーマリモちゃんも負けてないんだからーボス部屋に魔苔が生えてたらー消耗も無いんだぞー』
マリモちゃんは対抗心バチバチですなぁ。
俺はもう飽きたから、部屋の隅っこでグレイににゃーるもらってオヤツタイムだ。
魔石が山になってるんだから、そろそろ終わっても良いんじゃないか?
「おや?ミロク君が飽きてきてますね。そろそろ終わりにしましょうか」
気がついた高村が、今までの比じゃないくらいの雷撃を放って、またしても瞬殺した。
ゴブリンキングさんも一瞬だった。
流石は雷帝様だ。
魔石も山のようにあるし、壁に扉を貼り付けた。
さぁて、ようやく本題に入れるな!俺はもう疲れたから説明はグレイに任せてお昼寝するんだ!
魔石投入の時に起こしてとだけ言ってクッションの上で寝た。
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