第215話 高村とダンジョン
翌日、ギルドに行ったら高村が一緒にダンジョンに行きましょう。とか言ってダンジョンに来ている。
「登録されてるなら買い取れないですが、性能の把握はしておきたいんですよね」
ダンジョンで足を止めずにモンスターを倒しまくってる高村。
そして魔石を拾うクロユリと錬金術師さんを姫抱っこしてるメイド1号。
前回と同じく錬金術師さんは縛られてる。
カメラがあって高村じゃなかったらダンジョン内犯罪を疑われる構図だ。他人のふりしたい。
ダンジョン産アイテムなら錬金術師に見せときたいらしい。特にこの錬金術師さんはユニーク持ちなので、ダンジョン産アイテムとかを見れば作成可能かどうかわかるらしい。
そして、高村は魔石を貢ぎ……提供してポイントで増える設備がどこまでなのか確認したいらしい。
「にゃぁん」
「いや、無理だろ。マスターがモンスター倒したくても高村が視界に入った端から倒してるし、マスターの分はないって」
せっかくダンジョンに来たのに……
「キュー」
『だねー、マリモちゃんとヤクシはー飛んで高村の先に行きまーす』
「うにゃぁぁ!」
裏切り者ぉぉ!
「こら!マスター暴れるな!」
ちっ、グレイに抱っこされてる状態じゃ無理か。
「置いていかないでポーズの猫がかわゆーです!」
……クロユリは魔石拾いに集中してろよぉぐいぐい来るから怖いんだよお前ぇ。
なんで俺がグレイに抱っこされてると思ってんだ、俺が動いてるとお前がうるさいからだぞ?
せめて高村みたいに黙って微笑むくらいにしてくれたら良いのに……
「高村みたいに魔法で攻撃すりゃ良いだろうに」
「うにゃにゃ」
俺が倒したモンスターの魔石をクロユリが拾うと考えたら嫌な予感しかしない。
こうもハッキリ言っちゃえるのは、クロユリに猫語理解がついてないからだ。アプリさえ起動しなきゃグレイにしかわからないのだ。
それにしても、高村はどんだけ魔石を投入するつもりなんだろうか?
スタンダードダンジョンでレベル対応と人数の関係でめちゃくちゃモンスター出てくるんだけど?
「おや?もう中ボス部屋ですか」
中ボス部屋の前でヤクシとマリモちゃんが待っていた。
「キュー」
僕らの魔石はマリモちゃんのストレージに入ってるからね。とヤクシが言ったが…お前ら絶対魔石いくつか食べてるよね?
それにしても、ドロップ率が悪いって本当なんだな?だいたい魔石しかでてなかったぞ?
俺ならだいたいアイテムもドロップするのに……勿体ないなぁ。
「……では、魔石確保のために取り巻きの召喚をバンバンさせましょうね!」
高村がなんか言ってる。
そういうの、ダンジョンさんが可哀想に思えてくるから不思議だよなぁ
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