第213話 セーフティハウス


ぶっ壊れアイテムをゲットしたけど、悩むのである。


「うにゃにゃうなぁ」


売る分の魔石を突っ込むか、売る分と突っ込む分をわけるか、売る分も突っ込む分も確保するか、それが問題だ。


「キュー」


とりあえず沢山ある米粒魔石を突っ込めば良いよ。


「にゃ」


そうしてみる。


カードサイズの扉をダンジョンの壁にくっつけて、中に入ると四畳半くらいの広さだった。


閉めた扉の横の壁に水飲みトレイの様なものがついていて、その上にはタブレットが壁に埋めてあった。


グレイに抱えてもらってタブレットを操作すると、魔石投入の項目があったのでそれを選ぶ。


トレイの中に魔石を入れるとポイントに変換されて、そのポイントで拡張や改装ができるらしい。


「にゃぁん!」


ラノベのダンジョンマスターもので見たことあるようなシステムだ!


というわけで米粒魔石を投入。


「うわ、一万越えてるじゃないか」


「キュ」


溜めすぎ。と言われても、売れないから食べるしか無いんだし、そんな減らないぞ?


「にゃ」


多い分には問題無いのだ。


えーと、まずは部屋を広くして、キッチンと風呂とトイレは欲しい。


あ、家具も設置できるなら机とソファーとカーペットに………寝室の増設とベッドも選べるな!


キャットタワーは足りないから確保してる魔石を半分ずつ投入。


部屋を広くして、キャットタワーにふわふわクッション、消耗品が自動で補給されるシステムが高い!けど選べちゃう!細々としたアメニティグッズやらキッチン用品なども選択。


「うにゃ!」


これで住める!


「住む必要あるか?」


……無いかな?


「にゃ」


無いけど、ご主人が不便なのは嫌だ。


これは俺のためじゃない、ご主人のためなのだ。


『どんだけー』


「ダンジョン探索とは?」


「キュー?キュー」


畑とか無いの?お野菜作ったら完璧だよ。


ヤクシ?ここで暮らすわけでは無いんだぞ?


………畑ある。


「うにゃん」


畑もあって、更にポイントで畑の世話係も付けられる。


畑のお世話ドール(活動範囲は畑のみ)がお高いポイントで付けられるらしい。


他にもシェフドールとかメイドドールとかあるけど、それはいらない。


あとポイントが億とかするけど、鉱山とかある。ハウスとは?ダンジョンさんはこれを使って何をして欲しいんだ?


「うにゃ?」


ダンジョンさんは何を想定してこんなアイテムを作ったんだ?


『探索者のーあったらいいなーを読み取ってー?』


宝箱アイテムってそういうのなの!?


「にゃ」


そういえば、俺のご飯皿もそういうやつだな。


納得した。


「キュー」


何?俺の場合は幸運により反映されやすいとな?そこにラック値関係してくんの?初耳なんだけど?


「うちの先輩たち秘匿情報持ちすぎではないだろうか?」


「キュー」


今言ってるから良いでしょ。


『なんの情報がー初出しかわからんのでー思い付いたらー言うスタンスー真偽を確かめるのはーマリモちゃんの仕事では無いのだー』


それはそう。


「というか、一段落したなら攻略に戻らないと、帰るのが遅くなるぞ」


ハッ!そうだった!


外に出て、扉に触りながらロックと言うとカードサイズになる。


ストレージにポイして、探索続行。たまには派手に魔法が使いたいと、ヤクシと交渉してボス部屋のオークキング御一行を雷魔法で瞬殺した。


「うにゃ…」


雷が光って目が……


派手にやりすぎて目が眩んだのは反省点である。

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