第208話 職業条件検証


ギルドからの指名依頼で集まった人々に説明を始める高村。


「今回、各職業から独断と偏見で1名ずつ選んで指名依頼を出させていただきました」


一応、専業探索者の中から選びましたけどね。


場所はダンジョン庁の会議室を借りました。ギルドでやって話が洩れても困りますからね。


「まずはファイル1を見てください」


タブレットに資料は入力してあるので、まずはファイル1、職業図鑑を開いてもらいました。


「今回、正式な職業取得の場合に職業効果がつくことがわかりました」


それぞれの職業効果を見て、ざわめいてますねぇ。


「進化過程の職業効果も消えずに残る仕様です、そしてここからが問題です。小ダンジョン以外で職業を得た人々の職業が正式取得になる条件が判明しました」


更にざわめきは大きくなりました。職業効果を見て、正式取得に前向きな感じですね!


「ですが、検証は必要です。皆さまには検証のお手伝いをお願いしたいと思っています。ダンジョン庁からの発表前に情報が拡散しないように条件を聞く前に依頼を受けるかの確認をしますので、受ける方はタブレット内の依頼書にサインを、受けない方はどうぞお帰りください」



情報の制限は必要なのです。決して騙そうとしてるわけではない。


まぁ、ここだけ聞いたら皆さん残りますよね!チョロいです。


それと皆さん依頼書はちゃんと読みましょうね、この検証はカメラで撮影して動画を投稿しますって書いてあるんですよ?疑いませんか普通?


まぁギルドとしては問題ありませんから良いんですが……


「では、それぞれの職業の条件ですがファイル2を送信します」


そして阿鼻叫喚ですよ。嘘だろ!?とかマジかよ!?とか、なかなか現実が受け止められないようで(笑)


「小道具が必要なものはギルドで用意しますので安心してください」


因みにですが、私は既にやりましたよ?似非能力者風ということで、ボサボサ白髪カツラにハチマキ巻いて葉っぱを両サイドに差し込んで、怪しい老人風メイクをして真っ白な山伏風の服も用意してやりました。



ああいうのはやりきった方が恥ずかしく無いんです。やるなら真剣に似非能力者風にやった方が笑えない感じになります。


真剣に怪しい躍りを踊って、真剣に怪しい雨乞い儀式をやってきました。


お陰様でちゃんと効果がつきました。


ついでに何故かクラスアップのお知らせで魔王が出てましたけど、せっかくミロク君とお揃いなのに変えるのはちょっと勿体なくて変えてません。


あとレベル100を越えたら種族もクラスアップするらしく、ハイエルフに変えてきました。種族変更した後に小ダンジョンには入らなかったので、気がつきませんでしたね。


結構そういう人居ると思います。100越えるとスキルも揃ってきてるので、新規取得する必要を感じないので、小ダンジョンには用が無いんですよね。


もちろんこれも、後々発表です。


「皆さん、騒いでないでさっさとやって来てください。本気でやらないと何回もやることになりますからね」


まだ愚痴愚痴言ってたので黙らせました。


「私が直々に検証に参加したんです。依頼の破棄は認めませんからね」


ニッコリ笑って威圧しときました。


さて、今回神木はダンジョン探索中で話に参加してませんが、魔法騎士は神木です。


奴は基本的に指名依頼は断らないので。


因みに、ミロク君が気に入っている狩人の佐藤さんですが、彼はツッコミ持ちなので、外しました。


演技どころじゃなくなってしまう未来が見えたんですよ。どの職業条件もツッコミどころ満載ですからね。


さて、これから探索者たちの痴態を見なければなりません。


せいぜい笑わせてもらいましょう。

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