第207話 魔苔フェスティバル
とりあえず、データとして取り込み終わったら、本のコピーも作ってダンジョン庁から、また発表させるそうだ。
というわけで、本2冊は買い取りになった。まぁ僕らは必要無いからね。
「では、後日振り込みますので」
「はい、お願いしますね」
「ありがとうございました!」
後は高村さんにおまかせして、帰る。ギルドの外に出ると、やっと緊張がとけたように息をはいた三井君。
「神木、いつもこんなんなの?」
いつも……
「いつもでは無いよ?僕は普通の買い取りカウンター使うし」
「マスターはだいたい高村だぞ」
「マジか、すげぇな…」
確かに副ギルド長に毎回会うなんてこと無いと思うけど、そこまで?って気持ちはあるんだよね。
叔父さんのお友達ってことで昔から知ってはいたし。友達というかだいぶ迷惑かけてそうだったけど。
「でもほんと、今日はありがとな!謎が解けたぜ!」
「うん、わかって良かったよ……だいぶ予想とは違う結果になったけど」
「一応ギルドから学校に連絡いけば訓練はどうにかなりそうで安心したぜ!単位的に!」
それね!杖なら大丈夫みたいだし、武器戦闘出来ないって事態は免れたよ。
「マジでありがとな!また明日!」
三井君はミロクにもお礼を言って帰って行った。
そして僕らも帰宅。夕飯とか済ませたまったりタイム。
「そういえばマリモちゃんはなんで本のこととか教えてくれなかったの?」
ゲットした時に教えてくれてたら良かったのに。
『めんどくさいことにーなるかとー思ってー』
あ、うん。いつものやつだね。
「にゃあ?」
ならなんで今日は出したの?ってミロクが
訊ねてる。
『問題がー起こったらー出すつもりだったのー』
なるほど?
『レベル30いけばー何かしら不具合もおきてー調べると思ったのよー?でもご主人がマスターに聞いちゃうからーギルドが炎上する前にー出したのー』
問題が起こったらって、ギルドが炎上するまで黙っとくつもりだったのか。
三井君と僕はナイスタイミングだったのでは?
「キュー」
ヤクシがもらったときにさっさと売ってれば丸投げ出来てたと思うよ、と言うと。
『………ガーン』
マリモちゃんはショックを受けたようだった。
「うにゃぁ?」
そもそも面倒なら魔苔フェスティバルしなきゃ良かったのでは?とミロクが言ったんだけど……
『ダンジョンさんのー愚痴がうるさい感じがー伝わって来てたのー』
あー……
「にゃ」
「うん、なら仕方ないね」
ダンジョンだから仕方ないってやつだね。
「つまり、ていよくパシりにされたってことじゃ無いのか?」
『……魔苔フェスティバルツーの必要がありそうだー』
グレイのパシり発言に、マリモちゃんも思うところがあったようで、魔苔フェスティバルが再び開催されることに決まったようだ。
御愁傷様です。
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