第206話 やらせる
「まぁ盾士系統よりはマシでしょう」
高村さんが本をペラペラ捲りながら笑ってる。盾士系統?
「盾士系統というと騎士とか重戦士とかですよね?」
パッと出てくる三井君が凄い。
「はい、ざっと見た感じ盾士系統はお嬢様シリーズでしたよ」
「にゃふっ」
『ですわっ』
ですわ?あ、お嬢様だから?
「えーと、盾士だと「わたくし、お固くてよ!」と盾を構えながらゴブリンに宣言。他には…「わたくしのお盾をなめないでくださいましっ!」などセリフは短めだがお嬢様風の小道具が増えていく感じか」
グレイが本を見ながら教えてくれるんだけど……タンク系の人ってガッチリした体型の男の人が多いんだよね。
「キュッ」
『想像するだけできっつい』
こればかりはヤクシに同意する。
「うにゃぁん」
『魔法騎士の条件教えて』
……叔父さん!
「えーと、フリル付きの赤いドレスに真っ赤なピンヒール、金髪のロング縦ロールヘアカツラを装着して、羽根つきの扇で口元を隠しながら、空いた手は腰に当てて仁王立ちするのがまず第一条件」
「にゃ!」
『カメラ付けなきゃ!』
「というか小ダンジョンって仁王立ち出来るほど天井高くないよね?」
「神木、ギルドのホームページに小ダンジョンのボス部屋だけ広くなったって載ってたぞ」
『魔苔フェスティバルのおーかーげー』
そうか、僕は最近小ダンジョンに行ってなかったからなぁ。
「続きだが、その状態で「オーっホッホッホッ!すべて!わたくしが守ってさしあげますわぁ!安心なさって!わたくしカウンターも嗜んでおりますのっ!お仕置きですわぁっ!わたくしお強いんですのよっ!お盾役令嬢なのですわぁっ!」と優雅に叫ばないといけないらしい」
グレイが読み終わったんだけど、セリフが長いしドレス姿でやらなきゃいけないってのがもう……悲惨だ。
「ブフォッ!」
「にゃにゃにゃ」
何故か高村さんとミロクが爆笑した。
「ミロク君に賛成してアイツにカメラ付けてやらせましょうか」
「うにゃん」
『とても見たい』
高村さんとミロクだけニヤニヤしちゃってぇ。
後でこっそり教えてもらおっと。
「ですが、とてもいやがりそうですよね」
「叔父さんは深層とか行くので強化出来るならしてほしいんですけど」
僕も見たいから言ってるわけじゃないからね?本当だよ?
「キュー」
『おじさんはやらせれば良いんだよ、それよりさっさとこれを公表しなきゃでしょ』
確かに……なんだかヤクシが一番しっかりしてるんだよね。
「あ、大丈夫ですよ。お話しながらスキルでデータとして取り込んでる途中ですからね、発表なんかは上の仕事なので、入力が終われば上に投げますよ」
流石高村さん、抜かりは無かったみたいだ。
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