第203話 炎上案件を高村に投げる

とりあえずギルドに行って高村さんを訪問した。


三井君は……こんなとこまで入って良いのか!?みたいな顔してるけど、ギルド職員さんたちはミロクが居ることでもはや顔パス状態。


ミロクの相手は高村さんが担当だって決まってるみたいだよ?


普通に高村さんの部屋に行ったら、三井君が緊張で喋らなくなった。


え、困るなぁ。


「本日は二度もミロク君に会えるなんて素晴らしい日ですね」


「にゃにゃっ」


「そう言ってられるのも今のうちだぞ高村、だそうだ」


グレイが翻訳したとたん、高村さんから笑顔が消えた。


「……ヤバいやつですか?」


「にゃぁ」


「猫のミロクには関係無い、とのことだが俺的にはヤバいんじゃないかと思う」


混乱するからアプリ起動しよう。


「キュー」


『小ダンジョン関係のやらかしだよ』


ヤクシがぶっちゃけてしまった!それを聞いた高村さんは聞きたく無さそうに頭を抱えてしまった。


「えーと、まずざっくり経緯を説明すると、夏休みあけくらいから職業関係なく模擬戦闘やるんですよ、そこでこちらのテイマー三井君が素振りとか体術とかは出来るのに戦闘になったらへなちょこで、ミロクに見てもらおうってことになったんです」


小ダンジョンのことが知られてなかったから、今まで職業が何になるか謎だった。だから学校では剣士狙いは剣術授業とか別々なことが多かったんだよね。


テイマー希望の三井君がなにやってたか知らないけど、一応ゴブリン倒せるくらいの実力はあったんだよね?


あれ?じゃあレベル30越えてから急に武器使えなくなったとかでは?え、気がつかなかったのかな?


「は、はい!小ダンジョンでゴブリン倒して以降、武器使って無かったんで自分は武器戦闘が下手だったのかって思ってたんですけど!」


……そもそも武器使うこと無かったね。


「ミロク君にですか……」


「最初は呪いとか変なユニークスキルとか疑ってたんですけど、ミロクが職業効果だって言うんですよ、正式な方法で職業取得したから職業効果がついてるって」


「職業、効果?」


僕は免許証を見えるようにして、職業をタップしてみた。


「……これは、ヤバくないですか?」


「ヤバいんじゃないかと思います」


「にゃぁ?」


『三井の他のテイマーは武器戦闘どうなんだ?』


はっ!そういえばそうだった!クラスにテイマーが三井君だけだから気がつかなかった!


「あ、それはまだ大丈夫じゃねぇかな?レベル30いってんの俺らのチームくらいだぜ?先生に他は高くて25だから俺らのチームは突出し過ぎって言われた、あと無理はするなって」


「少し待ってください、調べます」


高村さんはパソコンを操作し出した。きっとギルドの免許証情報を確認してるんだと思う。


「確かに、小ダンジョンでの職業取得者で最高レベルが36で颯人君ですね、他は三井君含めて3人です」


……そういえば、僕らのチームって職業取得が全員遅れたんだった。


「これ、全職業で効果確認して、再度追加発表して、クレーム処理担当も増員して、各学校にも緊急連絡入れて………」


『そんな高村にープレゼントだよー』


突然マリモちゃんが高村さんに2冊の本を渡した。


あれ?マリモちゃんって収納鞄持ってた?


『マリモちゃんはー常々思ったのよー?職業に関してはー不平等だなーって、だからねー?マリモちゃんがー小ダンジョンが狭いのがそもそもの原因だよねー?とか呟いてー、魔苔フェスティバルしたらー宝箱に入ってたーついでにストレージもスキルに出たからーマリモちゃんサイキョー!』


待って、情報量が多い!


「うにゃ」


『俺は悪くない』


目をそらしながら言っても説得力ないよ!

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