ダンジョンのある世界に猫として転生した件

第202話 猫は全てを解決する

「ねぇ三井君、ミロクにしっかり見てもらわない？」

「は？」

「いや、おかしいよね？素振りとかはちゃんと出来てたのに、いざ実戦になるとへなちょこなのおかしいよね？」

「へなちょこ言うな！」

それはごめんけど、へなちょこって言葉が一番合うんだもの。

「これはもう変なユニークか呪いがあるんじゃないかな？」

「いや、ユニークスキルなら免許証に出るだろ？あと呪いだって普通の鑑定でわかるし登録の時に鑑定されてるけどなかったぞ？」

「うん、でも見てもらった方が良いと思う」

「えー？まぁいいけど…」

よし、じゃあミロクに連絡入れて……はやっ！返信はやっ！

「あ、放課後ミロクが学校まで来るって」

「早いな！？」

「ミロクの中で三井君の評価高いからね」

主に僕のコミュ障を改善させてくれてるところがだけど。

陽キャ強いって言ってたよ。

「おぉ？それ喜んで良いのか？」

「喜んで良いと思うよ？ミロクってあまり人の名前とか覚えないタイプだけど三井君は覚えてるし」

「そうなん？」

「うん、佐藤さんとか弓の人が先に出るし、僕のチームメンバーとか三井とござると盾の人とか言うよね」

他の人とか覚える気無いんじゃないかって程名前聞かないしね。

特徴がわかれば良いと思ってそう。

「……まぁ覚えてるだけマシだよな」

あ……そういえば銀ってしばらく会わないとなんか知ってる匂いがする！とか言ってるもんねぇ。

動物って人を覚えるの苦手なんだろうか？

猫はすぐ忘れるとかは聞くけど……いや、銀はモンスターだから動物とは違うんだろう、うん。

「この話はやめよう、トレーニングの続きしようよ」

「そうだな！」

気分を変えて体幹トレーニングだ！

僕がレンガの上に片足で立ってバランスを取っていると、先生がやって来て三井君とマンツーマン訓練やってた。

でもやっぱり短剣担当の先生もお手上げみたいだった。

そして放課後。

ミロクがグレイとヤクシ、珍しくマリモちゃんも一緒に待っていた。

「うにゃぁん」

「ミロク、お勤めご苦労様ですはなんか違うよ？」

「にゃ？」

あれ？とか言ってるけど、絶対わざとだよね。もう顔が、ミロク猫だからわからないなー？(ニヤニヤ)っていってるよ。

「わざわざわりぃな？」

「にゃ」

「気にすんな、だそうだ」

グレイが翻訳してくれるらしいから、アプリは起動してない。そもそも僕らが居るのにアプリ必要無いからね。

ミロクはじーっと三井君を見て、首を傾げた。

「うにゃにゃ」

「え？」

「なに！？」

「武器カテゴリー杖以外の武器の使用不可という制限があるがすべてのテイムモンスターの基礎ステータスを常時5％アップ、というテイマーレベル30の効果…らしいぞ」

「にゃぁ」

「小ダンジョンで正式な方法で職業を選択したから職業効果がついてるらしい、颯人様も剣士レベル30で攻撃力5％アップ効果らしいぞ」

……初耳なんだけど？

「えー？杖とか、えー？いや、でも縛りがあっても破格かこれ？」

三井君も困惑してる。

「うにゃ？」

「免許証の職業のとこタップしたら出るんじゃないか？って言ってるが？」

言われて免許証の職業の部分を触って見ると………本当に職業効果が載ってた！

「キュー？」

「ヤクシ先輩、正式な職業取得方法はマスターが発見しちゃったんだぞ？今までの人達は正式な取得方法じゃないので、たぶん職業効果ないと思う」

あ、あーっ！そういえばそうだった！

『ダンジョンさんがーお情けでー職業あげてただけだからねー？お膳立てー全無視でーちょっとショックな雰囲気ー？』

それは小ダンジョンが狭すぎるのがいけないんだと思う。

これ、また高村さんに投げなきゃいけないやつだよ…