第201話 鍛えねばならない


「とりあえずダッシュしよっか」


「おう…」


ちょっとはっきり言い過ぎたかな?でもどうしようも無いからなぁ。


20mくらい間をあけて線を引いて、線から線へと全力疾走を繰り返す。


10回を越えてからが本場です。


「ちょ、神木って、そんな、体力、あったか!?」


「やだな!鍛えたに、決まってんでしょ」


やっぱりアタッカーなら体力大事だからね、決して猫に持久力で負けたからではない、無いのだ。


「っは、無理!」


三井君脱落。僕はまだまだやれる!


疲れ知らずのドールと、生物としての強さが違うドラゴン2匹、そしてスピード型のくせに持久力まである猫とチーム組もうってんだから、頑張らないと!


いや、ミロクは良い感じにキャリーしてくれるんだけどね?猫にキャリーされる飼い主って微妙じゃないか。


これは飼い主としての矜持の問題なのだ。


「マジかよ神木、夏休みの間にどんだけ鍛えたんだよ」


「魔石ドーピングしてる!」


「あー……俺は売っちまってるなぁ」


普通は売るよね、ギルドでの買い取りとかも記録されてるから成績にも影響するし。


「基礎ステータスを上げるのは、レベルが低いうちにやった方が効率良いって、ミロクが言ってた!」


あとトレーニングしとけばレベルアップでトレーニング分も地味にステータスに反映されるとか、ステータス操作はダンジョン探索の基本とか、よくわからないことも言ってた。


ゲームかなにかとごっちゃになってるのか、それともミロクにしか見えてない情報があるのかは不明だ。


「えぇー、じゃあ俺も魔石ドーピングやろうかな?持久力とか何の魔石なんだろ?」



「ウルフ系がおすすめ!あとゴブリン系の魔石なら武器スキル手に入れられるかもしれない!」


スキルがあれば三井君もまともになるんじゃなかろうか?


「今度ウルフとゴブリン倒してくる」


「でも鍛えないと意味ないからね!」


僕だってこうやって鍛えてるわけです。でも流石にちょっと息が、ヤバい。


喋ってるからなおヤバい。


「あー!もうダメ!」


「いやいやスゲぇよ」


まぁテイマーの三井君に負けてたらアタッカーの立場がないよ。


ゆっくり歩きながら息を整えていく。


「三井君、バテた状態での戦闘やっときたいから相手お願い」


「いやいや、俺弱いんだけど!?」


「大丈夫だよ、防御の訓練だよ」


しぶしぶだけど引き受けてくれた三井君に攻撃を仕掛けるんだけど……


「三井君、武器を怖がって腰が引けてるし、おもいっきり振れてないし、強く握りすぎだよ、もっと力抜いて………うぅん?」


授業でやった剣術の基礎が全く出来てないんだけど?あれ?素振りとかはちゃんと出来てたよねぇ?おかしいなぁ?

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