第200話 剣術で学年1位なんだ


学校でミロクの様子を確認する神木颯人。


「行って鑑定してすぐ帰るとか、どれだけあのドールが苦手なの……」


午前中の戦闘訓練の時間、僕はクラスメイトだと訓練にならないってことで、自由時間となってるのだ。


一応、走ったり柔軟したりはしてるけど、合間に配信見てても怒られない。


だから普通にミロクの様子を見てたんだけど、嫌そうにギルドに行って、ドールを見たらすぐに鑑定結果の入力を始めて、終わって高村さんに依頼料金もらったらすぐに帰ってた。


高村さんやクロユリは名残惜しそうだったけど、家でヤクシとマリモちゃんが待ってるからと言ってさっさとギルドを出た。


確かに待ってるけど、急いで帰る必要もないよね。たぶん帰りたかったからだよね。


猫ってグイグイくる人とか苦手だから、仕方ないよね。仕方ない。


とりあえず何事もなくおわったので配信を閉じた。


次は連続ダッシュやろうかな。なんかミロクがマラソンよりも全力疾走を繰り返すのが効果的とか言ってたからやってるけど、確かに効果的なんだよね。


ミロクってば猫のくせに持久力あるんだもん、僕だけいつもへばるのは飼い主として情けないから、ちゃんと鍛えてるんだよ。


前屈とかも手のひらがつくくらいになったし、Y字開脚とかも出来るよ!Y字開脚は体の柔らかさもだけど、体幹とかバランス感覚とか鍛えなきゃ出来ないんだよ!


僕は頑張った!


「神木ー、俺もこっちに参加させてくれー」


「あれ?三井君今回は短剣の訓練だったよね?どうしたの?」


「模擬戦で全員に負けたから先生が神木と一緒にダッシュやってろって」


三井君弱いんだよねぇ、一応ゴブリンに勝てるくらいではあるんだけど、クラスメイトの中だと武術面は下位に入る。


まぁテイマーだし、魔法補助主体の戦いかただから、もしも三井君自身が戦わなきゃいけないって場面だと既に壊滅状態ってことなんだけど、流石にやらないわけにはいかないもんね。


他の魔法使い系の人達も前衛組に比べたら弱いんだけど……三井君は弱すぎて先生が後回しにしたかったらしい。


剣のグループとか槍のグループとか別れて訓練してて、三井君は全体訓練始まってからグループを転々としてる。


ちょっとどうにもならない。っていうのが先生たちの言い分です。


体術はそこそこ出来るのに武器持ったらとたんにダメになるのは何なんだろうね?


「槍はダメ、剣もダメ、今回短剣もダメなら俺はどうすればいいんだ?」


「棍棒とかかなぁ?」


「振り下ろすだけで良いもんな!え、俺ってそんなレベルなの?」


「…自覚がおありではない?」


「……」


端から見てて何が変なのかわからないくらいに動きがおかしいよ?

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