第195話 巻き込まれタイプ観賞


ヤクシが探索頑張ってくださいとコメントして、別の配信に変えた。


「キュー」


なんか、長そうだったとのこと。


「キュー」


次は戦う錬金術師さん。と言われたので、結構見ている人なんだろう。


「キュキュー」


高村にドールを使った戦いかたの検証をやれって言われて、それを配信しろって材料渡されて作るところから配信させられてる人なんだよ。


……ということは錬金術師からの分岐上位職とかの検証も含んでいるのでは?


『剣士作った!騎士作った!魔法使いにヒーラーも作った!なのに何で渡された素材がまだ山ほど残ってるんだ!』


なんか、発狂してね?


『ヤツから渡された依頼書どこやった!?ドールのレシピも一応渡しておくとか言ってたよな!?』


メイドのドールが錬金術師に紙を数枚差し出した。


それを引ったくって読み始めた錬金術師は紙を投げ捨てて頭を抱えた。


『ユニークドールはユニークなんだから作れるわけ無いだろ!?あとこの数のアイテム入れたら失敗するに決まってんだろ!やりたくねぇぇぇっ!普通に売ったらいくらすると思ってんだよ!』


「高村さんさぁ……」


「キュー」


検証は大事だよ、ってヤクシがご主人の肩をポンポンしながら言った。


『ほとんど自分で取ってきたアイテムだから失敗しても大丈夫ですじゃねぇんだよ!』


「にゃ」


そういや、俺の毛とかヤクシの毛とかマリモちゃんの花弁とか高村にあげたな。


グレイの材料の確認した時に、手に入らない系のアイテムを、検証に使うから売ってくださいって言われたけど俺達の毛とかは普通にあげた。


値段が確定するのに時間かかるとか言われたから面倒だったのだ。


「おや?何をしてるのかと思えば…テレビ画面に映すからそっちで見ろ」


グレイがノートパソコンに集まってる俺達を見て、テレビ画面で見れるようにセッティングしてくれた。


「グレイ、高村さんが検証とかでグレイと同じ材料で錬金させようとしてるんだけどさぁ」


「ユニークとは1つだからユニークなんだが?」


「だよねぇ、やらされてるこの人可哀想」


『やんなきゃダメか!?材料を手に入れるために魔女を5回程泣かせましたとか失敗しないように圧かけてるよな!?失敗するよ!?ユニークなんだから1つだけだぞ?もう作られてるなら2つ目は無いんだぞ!?なんだよ女性型ドールならいけるかもしれないから検証しろって!やだよ!』



頭をかきむしりながらうろうろと忙しなく動き回りながら叫んでる。


「……ラック値しだいでは有るかもしれない」


「え!?」


「いや、そもそもマスターレベルの幸運を持ってるヤツが居るわけないか?」


「キュー」


この人錬金術系ユニーク持ちなんだって。という情報がヤクシから出た。


「キュキュー」


ご主人の叔父さんとか高村の同級生でいつも無理難題を言われて試行錯誤してたらユニーク生えてたんだってさ。


どうやら初配信でその辺は説明していたようだ。


「キュー」


だから高村に検証頼まれたんだよ。


「なるほど、幸運ユニークと錬金術ユニークでの違いも見たいのかな?」


うーん、ご主人の意見もわかるけど、ユニークはユニークだからなぁ。


「にゃぁ」


ユニークじゃないスーパードールが出来るかもしれない。


「…かもしれないな」


材料は殆どが初級ダンジョンのアイテムだから、ユニークじゃなくても凄いドールが出来たら錬金術ユニークが仕事したと思っていいと思った。

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