第194話 範囲魔法使い観賞
まったく不本意なことを言われてしまったが、俺は心の広い猫なので忘れてあげることにした。
『あー、なんか、でも、わかる』
『俺がわからなきゃ意味無くない!?』
『逆になんでお前わかんねぇの?』
何故か魔法使いだけわからない状態の3人組。
「ヤクシ、ちょっと貸してね」
今度はご主人がコメントを入力した。
『………わかった、わかった!コメントありがとう!魔力こんな感じか!』
「良かった…ミロクもヤクシも自分が出来ちゃうからコツとかわからないもんね」
「キュー」
だってドラゴンの標準装備だもん。ってヤクシが呟いてる、そんなこと言われてもな気分なのだろう。
「うにゃ」
俺はちゃんとコツも教えてる。
「……うん、そうだね」
だろ!ぐるっとしてサーって押す感じってちゃんと教えてあげたもんな!
『まだ浅い階層で良かったよな!』
『そうだね、さっそく試さなきゃね』
『おいまて、魔力操作っぽいのが出来ただけで実践で使うのは早い!』
『『やってから言って』』
魔法使いだけが慎重派らしい、なんだか他2人の保護者で苦労人な雰囲気だ。
止める魔法使いを無視して階段を出てモンスターを探す2人、ゴブリンチームを見つけて、さぁやれ!と魔法使いを押し出した。
『くっそ!まだ出来ねぇっての!』
と言いつつ、魔力操作っぽいことをしながら魔法を使った。
「うーん、変わってる?」
「うにゃ」
誤差レベルで小さくはなった。
俺の眼は特別なのでわかるけど、普通はわからないと思う。
『あっはっはっはっ!いつもと変わらずオーバーサイズ!』
『チームといっても5体だし、範囲魔法は10体以上のときに使うやつだから、オーバーサイズは仕方ない』
『だから出来ねぇって言ったよな!?』
魔法使いが不憫だから、誤差レベルで小さくなってるよってコメントで教えてやった。
『……フッフッフッ!見ろ!誤差レベルだけど小さくはなったらしいぞ!やれてるじゃん俺!』
『『いや、誤差じゃん』』
『馬鹿め!お猫様からだから本当に小さくはなってるんですぅ!』
なんだ、こいつら?仲良しか?
「にゃぁ」
ダンジョンで喧嘩すんな。
「仲良しだよねぇ」
「キュー」
モンスター集まってるけど。とヤクシがコメントした。
『『『ヤバっ!?』』』
3人は慌てて戦闘態勢をとって、戦い始めた。
「キュー」
なんか、視聴数増えてる。とヤクシが言うので見てみたら、コメントも増えてた。
何でだろ?とコメントを見てたら、俺達がコメントしたことを他の視聴者の人が拡散したらしい。
『うえっ!?何でこんな人数みてんの?』
『お猫様がコメントに現れたから拡散されたんだろ!』
『俺等別に面白いことしないんで!期待されても困るんで!』
3人は戦いながらもコメントを見る余裕があったらしく騒いでるが、コメントでは自覚がない?やらお前ら普通に面白いやら好意的なものが流れてた。
「先輩を少しバズらせてしまった…」
「うにゃん」
世界一の猫なので影響力も凄いのだ。
ちょっと自慢気に言ってみたら、ご主人にアゴ下こしょこしょされた。
ゴロゴロ……喉は勝手に鳴る。むしろご主人が鳴らしている疑惑を持っている。
アゴ下こしょこしょしたら喉がゴロゴロ鳴るスイッチがあって、ご主人が押してるのでは?と怪しんでいる。
だって俺の体なのに何でゴロゴロいうのかまったくわからないんだ。
俺、猫なのに自分で自由に喉をゴロゴロ鳴らせないのだ。猫初心者だから仕方ないけど、ご主人にゴロゴロスイッチ押して貰えないとゴロゴロ鳴らせない猫なのだ。
「うにゃあ」
ご主人のテクニシャンめ。
「うん、それやめてね」
え?
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